March 29, 2007

阿部和重「ミステリアスセッティング」読了。読み始めてすぐに、これは文学ではないな、と思った。読み終えた今でもその印象は変わらない。これはエンターテインメント小説である。その分、阿部和重の小説としては物足りない。携帯の小説サイトに連載したということも関係あるのだろうか? 文学とは呼べない軽さ。それがいい意味での軽さになっていない。文体は平易になっているものの、内容まで薄くなってしまってはしょうがない。どうも、「シンセミア」以降の阿部は精彩を欠いている。それは、芥川賞受賞作も含めてだ。「シンセミア」を越えることはできないのか?

Posted by Sukeza at March 29, 2007 11:35 PM
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