September 07, 2004

激しく落ち込んだ日。自分ではすっかり鬱症状は治ったものと思っていたが、どうやらまだ完璧に治ってるわけではないらしい。遅くなった帰り際、強烈な自己嫌悪に襲われ、動悸まで伴ってきたので、駅構内のコーヒーショップで抗欝剤のレキソタンを飲み、それでも不安感が消えないので帰宅してからいつも就寝前に飲んでいるパキシルも飲む。どうもどこか被害妄想的な傾向もありそうだ。

というのも、本日は二つばかり明確な原因がある。まず、朝起きたらすでに10時だった。これは例の新しい睡眠薬のせいと思われるが、会社に半休の連絡を入れながら手帳をめくってみると、これでこの1ヶ月で月曜日の朝出勤できたのはただの1度だけということに気づき、強い罪悪感に苛まれる。確かにここ一月ばかりの体調は酷かったが、月曜の午前中はミーティングがあるので、どうもその辺に原因があるような気がしてくる。要するに精神的なもので、どこかミーティング嫌だなあという気持ちがあるので一種の登校拒否状態にあるのではないか、と思うのだ。まあ考えすぎなのかもしれないが。

で、次の原因はと言えば、夕方の6時から打ち合わせがあった。相手は10年ぶりに会う旧来の友人である。彼は僕より4つばかり年上であるが、もともとミュージシャン・アレンジャーで、今はスタジオ経営と同時にミュージシャンを統括する団体をやっている。で、会うなりやあやあという感じで旧交を温めていたのだが、そのときに彼のズボンにちょっとコーヒーをこぼしてしまった。これがケチのはじまり。たぶん今日のような精神状態だから余計気になったということもあるのだろう。それで打ち合わせが始まったのだけれど、彼は元々ミュージシャンだからまるっきりの業界人、なので僕も久々に業界のスタイルで、「だからさあ」みたいなノリでやっていた。僕も今では部下を持つ一応の管理職、彼は団体の代表者。ところが彼にとってはいまだに僕はちょい年下の若造という意識が残ってるらしく、彼の発する業界独特の冗談(往々にして相手を揶揄する)にいちいちプライドが傷ついていく。彼に最後に会ったのは彼のお父さんの葬式のときなのだが、当時はスタジオもうまく行かず自宅マンションを抵当に入れたり、それでなくても憔悴しきっているときだった。どうもそのときの印象が強く残っており、それでなくてもその数年前に僕にマネージャーになって欲しいと何度も請願してきて僕が断ったという経緯もあり、今日の突然羽振りがよくなり必要以上に自信満々でいる彼にはすっかり面食らった。今の会社に入って一般企業相手のビジネスをしてきて業界の人間というかミュージシャンと話をしてみると、彼らは権利ばかり主張する被害者意識が強く、ビジネスという観点に往々にして欠ける。それで僕は違和感が募るばかりで、彼がしょっちゅう繰り出すミュージシャン特有の寒いギャグにもまったく笑うことができなかった。9時過ぎにようやく終わったころには、僕はすっかり自己嫌悪にとりつかれてしまっていた。つまり、業界ノリで話している自分に激しい自己嫌悪を覚えた。そんなわけですっかり意気消沈して被害妄想による不安に取り憑かれてしまったというわけだ。

要するに、今の僕は(日本の)音楽業界がすっかり嫌いになってしまったのである。できることならもう関わりたくないなどと本気で思うくらいに。昔の経験や実績を背景に仕事をしているので、これはこれで困ったことではあるのだけれど。まったく困ったジレンマを抱えてしまったものだ。

Posted by Sukeza at September 7, 2004 12:53 AM
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