April 04, 2007

今日は、マツダヨシヒロに関して書いてみようと思う。マツダヨシヒロ。実名である。実名を出しちゃっていいのかというと、いいのである。たぶん。何故なら、マツダ君がこのサイトを見ている可能性は100%ないと言っていいからだ。マツダ君は小学校のときの同級生である。ということは、中学校でも同級生だったということになるが、何故か中学校時代の思い出はまるでない。中学に入って、僕が彼に対して興味を失ってしまったのか、接点がなくなったのか、今となっては定かではないが、とにかく、僕の記憶に残っているのは小学生時代の彼である。マツダ君は、一言で言えばいじめられっ子だった。それで、彼をいじめていたのは、他ならぬこの僕であった。何故彼をいじめるようになったのかは定かではないが、恐らく、彼のおどおどとした態度や顔つきが原因だったと思う。いじめる側といじめられる側とは言いながら、不思議なことに普通に付き合っている部分もあって、例えば、彼がひよこを飼っているというので彼の家まで見に行ったことがあった。すると、彼がひよこの名前を呼ぶと、玄関の廊下の奥から、でかいにわとりがひょこひょこと走ってきた。まあそんなこともあり、いじりやすいキャラクターであったことは否めない。いじめると言っても、今の子供のいじめのように陰湿なものではなく、例えば授業が始まるときにみんなで彼を押さえつけて僕がパンツを引き摺り下ろしてケツを丸出しにする、といったたわいのないことで、要は当時の僕はちょっとしたお調子者であったということなのだ。中には危険なものもあって、一度、後ろからタオルを首に引っ掛けて背中を蹴るという、下手をすれば殺人に至ってもおかしくないことをやったこともある。今考えても酷いことをしたなあと思う。すまん、マツダ君。

で、なんでいまさらそのマツダ君のことを思い出したというか、書いているかというと、あれからもう40年近く経つというのに、いまだに彼の作った歌を覚えているからである。おまけに、あろうことかときおり僕はそれを口ずさんだりもするのだ。ある日、彼が曲を作ったといって歌ってみせた。それを今でも正確に覚えているのである。それだけ強烈な印象だったのだろう。ここにフルコーラスを記す。もちろん、著作権無視で。

僕は 一人で 歩けるんだ
だけど 一日中 歩いたので
もう歩けない
倒れる 倒れる 
倒れた バタリ

という歌である。これに、単調なお経のようなメロディーが載っている。しかし、ともあれ、それは僕が生まれて初めて遭遇したシンガーソングライティングというものだったのである。最初に聞かされたとき、なんだそれ、と笑って馬鹿にしていたが、もしかすると、どこかに共感するものがあったのかもしれない。それでいまだに覚えているのかもしれない。いや、僕はやはり密かに相当な衝撃を受けたのだと思う。歌というものを、誰かがフルコーラス作って歌っているということに。しかも、それがよりによってマツダ君であるということに。マツダ君がその後どうしているのか、生きているのか、死んでいるのかすら知らないが、恐らく僕はこの歌を生涯忘れないだろうと思う。まったく、歌というのは不思議なものである。

Posted by Sukeza at April 4, 2007 12:38 AM
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