April 23, 2006

阿部和重の「プラスティック・ソウル」を読み終わる。これは新刊ではあるが、新作ではない。1998から2000年まで連載されたものである。人称がめまぐるしく変わる実験的な手法を取っているが、正直、中途半端な感じは否めなかった。もともと僕はドラッグ・ストーリーというのがあまり好きではない。自分自身、まったくドラッグをやったことがないかと言われれば実はそうでもないのだが、個人的には興味がない。阿部和重の小説は小難しいようで、案外とカタルシスを得られるところが好きなのだが、今回はそれがなかった。

鬱病というのは本当に厄介な病気だ。今日も心配で夜に父に電話した。相変わらず、何もやる気が起こらず寝てばかりいるという。僕とまったく同じ症状だ。特に僕の場合、自分自身で自分の状況がわかっているだけに歯がゆいものがある。しかし、鬱が酷いと異常に腰が重くなるし、何もできなくなることは確かなのだ。今日は彼女が休日出勤だったので、日中は一日家にいたのだが、不安感で気が狂いそうになった。実際、床に寝転がってみたりもした。ほとんどキチガイである。我ながら困ったものだなあと思うのだが、それをなかなか自力でなんとかできないところがこの病気の厄介なところである。なにしろ気力がないものだから、強烈な意志によって、ということも難しい。僕はもう5年もこの病気と闘っているのである程度自分で打開策を見つけることも可能だが、心配なのは父である。しかし、やはりその前になんとか自分の気力というものを取り戻さなければ。

Posted by Sukeza at April 23, 2006 11:40 PM | TrackBack
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