アバウト・ア・ボーイ

日曜日。

母は食堂のソファに並んで座っている間中ずっと、僕の左手を一生懸命両手でさすっていた。その前に寄った精神科で診察を受けている間、車に氷のような雪が積もり、それを振り払っているうちに僕の両手は水死体みたいにすっかり冷え切っていた。

実際今日は寒かった。予報どおり最高気温が0度だったのかどうかは分からないけど。昨夜は明け方の4時半ごろに寝た。家の前の道を除雪車が通り過ぎる音がした。9時過ぎに起きると、外はすっかり雪景色になっていた。朝食後に雪かきをした。

午前中はYouTubeにElizabeth Shepherdの新譜がアルバム全曲アップされていたので削除される前にとせっせとダウンロード。炊飯器を仕掛けて、ご飯が炊き上がるまでの間に選挙の投票に行ってきた。混んでるかと思ったらがらがらだった。町役場までの間、通りを歩いているのは僕だけだった。投票を終えると出口調査なるものでアンケートを受けたが、あれって全員正直に書かないと意味ないんじゃないかなと思う。

5時間も寝ていないわりにはそれほど猛烈な眠気に襲われることはなかったが、4時の精神科の予約まで少し寝ておこうとアラームをかけてソファで毛布を被ったが、ただうとうとしてこのまま死んでしまうのではないかというろくでもない思考回路に陥っただけだった。

夜、選挙速報が始まった途端に事前に伝えられていたように与党の圧勝、猛烈にシラける。ここ山形ではすべて自民党の勝ち、沖縄と岩手を除く田舎はすべて阿呆の集まりだと思う。結局選挙とは愚か者が愚か者を選ぶ行為に過ぎないのではないかと思う。実際問題としてさしたる野党がいないということも確かなのだが、この結果が自分たちに何をもたらすのかということをほとんどの人は分かっていないのではないか。少なくとも日本に於いては、選挙というものは個人に対して投票するものであって国の将来を考えて投票するものではないようだ。

というわけで、ニック・ホーンビィ「アバウト・ア・ボーイ」読了。これもツイッターで勧められたものだ。ニック・ホーンビィを読むのは「ハイ・フィデリティ」以来二度目。無茶苦茶面白かった。なんていうか、実に読んでいて気分がいい。ホーンビィのユーモアのセンスは抜群だし、とにかく登場人物がすべて魅力的だ。すんなり感情移入できるし共感できる。僕は本来子供が出てくるものは苦手なのだが(子供というものが苦手だから)、それを考えても子供が中心となって回る話にこれほど共感できるというのは凄い。読後感もいいし読んでいて幸せな気がした。思わず新作もアマゾンで注文してしまった。


アバウト・ア・ボーイ (新潮文庫)

最近緩やかなカーブを描きながら徐々に精神状態が回復しつつある。それとともに物欲も出てきて、昨日はブラッド・メルドーのCDを注文し、MP3でBobo Stensonのアルバムを購入し、今日はアマゾンで本を3冊注文してしまった。あ、そういえばプリンタのインクも注文したのだった。なんか急に怒涛のように買い物をしている。安い留守番電話機も買おうかと思ったのだが(うちは固定電話に留守電がない。ナンバーディスプレイもついてない)、今の電話を見ると内線電話のシステムになっているのでどうやら取り付けるのは無理そうだ。昨日の日記に書かなかったが、昨日サッカーの後半のいいところで母の知り合いの老婆から電話があってくどくどと話されて辟易したのでもう二度と固定電話に出るものかと思い、留守電を設置しようと思ったのだけれど。

明日は月曜でメンズデイで安くなるから久しぶりに映画でも見に行こうかと思っていたのだが(「インターステラー」か「ゴーン・ガール」のどちらかが見たい)、どうやら明日まで雪は降り続きそうだ。今日の経験から言っても映画を見てる間雪が降っていると車に相当積もりそうだし、雪だったら諦めよう。


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