急な下り坂を見ると下ってみたくなる。

例えば、どこまでも続く下り坂があったとする。最初は急だが、次第にゆるやかになる。終わりまで降りてみようと下ってみるがいつまで経っても坂道は終わらない。しかし、引き返そうにも振り返ると全て上り坂だ。仕方が無いのでどこまでも下る。しかし、下り坂は果てしなく続く。どこまでも降りる。そして、晴れ渡った空はどこまでも続く。永遠に続く晴天。そして昼。

底が無いと云うことは落ちている訳では無いのだ。ただ傾斜に後押しされて進んでいるのである。まるで人生のように。

暖かき日。少しばかりの幸福。

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