May 19, 2008

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42日間、僕はこのつつじを見ながら煙草を吸った。

朝電話で起こされた。彼女からで、退院出来るという。午前中に来て欲しいというので、朝食後にドトールで一服してからM駅へ。もうこの駅はすっかり嫌いになった。でもそれも今日までだ。病室に着くと、もう荷造りは済んでおり、後は会計を済ませて退院するばかりだった。師長が僕と話をしたがっているというので、嫌な感じがしたが、特にどうという話でもなく、会計を済ませたら薬やら何やら渡すものがあるのでもう一度6階に戻って欲しいということだった。僕は外のベンチで煙草を吸いながら、彼女が出てくるのを待った。やがて彼女が出てきた。さらば、D病院。もう二度と来ることはないだろう。

というところまではよかったのだが、一旦僕のマンションで昼食を摂ってから彼女のマンションに着き、彼女が久しぶりに猫たちと対面して喜んでいるうちに、ふとある考えが浮かんだ。昨日まで41日間連続業務という記録を打ち立てた。どうせだからこの際、もっと記録を伸ばしてやろう。というわけで、ちょっと仕事をしてくると言って、地元の店で2時間ばかり業務をして小銭を稼いだ。で、その後彼女のマンションに戻り昼寝をし、隣町のジャスコに夕飯を食べに出かけた。ところが、である。店に着いて席に座ると、ウエストバッグに入れてある筈の財布がない。げっ、と思ったが、また例によって彼女の部屋の椅子の上に落としてきたんだろうとそのときは高を括っていた。ところが、彼女の部屋に戻ってみても財布がない。このときに至ってようやく、僕は青ざめ、うろたえた。僕の財布の中には、現金はもちろん、銀行のキャッシュカード全部、運転免許証、健康保険証、ネットバンキング用の暗証番号カード、Suica、診察券、自動車保険の連絡先、つまりありとあらゆるものが入っているのだった。僕の全てと言ってもいい。僕はまず駐車場をくまなく探し、それから車で先ほど業務をやった店まで行き、店の駐車場を調べ、店員に財布の落し物がないかどうか訊いた。ない。どこにもない。次第に僕は顔色を失っていく。また車で彼女のマンションに戻る途中にパトカーに出くわしたので財布を落としたという事情を話し、どこに連絡したらいいのか訊いた。警官は、まずカード類を全て停めることを薦めた。むむむ、やっぱり。それから、警察署の電話番号を教え、受理番号なるものを聞いておくように、とのことだった。ことここに至って僕は完全に諦めの境地に至り、彼女の部屋に辿り着いてからまず警察に連絡して、それから銀行に片っ端から電話をしてカードを停めた。運転免許証は免許センターでしか再発行できないという。その免許センターは、鴻巣という、気が遠くなるほど遠いところにあるのだった。ああ、哀れなり。現金自体は大した額ではない。明日からの銀行巡りやら何やらを考えると気が滅入る。もうホントに、どうしてこう毎日なんか起こるの? 助けてくれ。誰か。

Posted by Sukeza at May 19, 2008 11:53 PM
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