November 05, 2007

メメント・モリ。

「自分が必ず死ぬということを忘れるな」という意味のラテン語である。裏を返せば、「生きている今を楽しめ」という風にも解釈が出来る。20代から30代にかけて、僕はずっと「メメント・モリ」の状態にあった。いつも頭のどこかに、「死」というものを意識していた。それは、単なる恐怖としてである。自分の人生はいつか終わる、そのことに僕は常に恐怖していた。どのように死ぬか、というようなことばかり考えていた。挙句の果てには深夜にパニックを起こし、明け方に田舎の両親に電話したりしていた。要するに僕はそのころからパニック障害だったのである。僕は当時付き合っていたいろんな女性に、そのことを知られるのが怖かった。自分が病気であるとは考えもしなかった。ただ、自分は人一倍気が小さくて、考えすぎるのだと思っていた。パニック障害が完治した今は、パニックに陥ることはない。そして、死を意識しすぎることもない。ただ、それはそこに「在る」のだ、という風に思っている。僕は死を忘れたわけではない。ただ、今を生きることに必死なだけである。先のことも考えず、過去のことも出来るだけ考えず、今を生きる。それで精一杯なのだ。

Posted by Sukeza at November 5, 2007 12:48 AM
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