September 14, 2007

これは自慢であるが、僕は足が長い。昔、自由が丘の丸井のお姉さんに褒められたことがあるので、これは客観的事実である。だが、しかし……僕が散歩をしていると、同じく散歩をしている、明らかに僕より身長が15cmは低いと思われる女の子に楽勝で追い抜かれてしまうのである。なんで? やっぱりピッチ走法の方が、ストライド走法(この場合は歩法?)よりも有利なのか?

それはともかく、昨夜のことである。いつものように彼女を駐輪場の入り口まで送り、僕は踵を返して戻り始めた。すると、正面からどこか呆けたおっさんが僕の方に向かって歩いてくる。よける素振りもない。と、すれ違いざまにおっさんはなんと、僕の右足の甲を思いっきり踏んで行った。僕はすかさず、「なんだ、こらあ!」と、静かにかつ威厳を込めて言った。しかし、おっさんはちょっと振り返っただけで無言で立ち去ってしまった。なんたら奴であろうか。僕は怒りに打ち震え、一瞬、頭の中で中学のときに通信教育で鍛えた(マジ)空手の飛び蹴りをおっさんの背中に食らわし、すっくと立ちすくんで、「人の足踏んどいて、すいませんも言えんのか、こらあ!」と一喝する自分を想像した。しかし、想像しながらも歩いてしまっていたので、その間にもおっさんとの距離はどんどん離れていく。どうしよう、追いつくには小走りで追いかける必要があるな、しかしそれも面倒だな、などとまた考えるが、その間も歩いていたので、おっさんとの距離は開く一方である。しかし、わしの怒りは収まらない。なんでここで一人称が「僕」から「わし」になるのかは私にも分からないが、とにかく、おっさんとの距離と反比例して俺の怒りは増して行く。あいつは僕の、私の俺の、プライドまで踏みつけおったのだ。などと思いながらも歩き続けているので、どんどんどんどんおっさんとは離れて行く。ああなんたる矛盾。もはやおっさんがどこに消えたのかも分からないほど離れてしまってから、僕は考えた。果たして、僕は飛び蹴りを食らわせるべきだったのか、否か。うーん、分からん。なんか、本当に強い奴はそんなところで飛び蹴りをしないような気もするし、かと言って、空手の黒帯、takさんによれば、喧嘩は買うものではなくて売るものだというし、うーむ、一体、俺はどうすべきだったのか? 一晩経っても分かんねえんだよお。おおい、俺は一体どうすべきだったの? おせーて。

Posted by Sukeza at September 14, 2007 11:01 PM
Comments
Post a comment









Remember personal info?