August 17, 2007

批判のコメント・メールは大いに歓迎しますが、最低限のマナーは守ってください。一応、僕はこれでも48歳で、天才と呼ばれたこともある音楽プロデューサーで、かつては渋谷・赤坂界隈では並ぶ者のなかったパチプロだった。どこの誰とも知らぬ、初対面の人間にいきなりタメ口を利かれる筋合いはない。匿名なら何をやっても大丈夫と思っている人、IPアドレスを見れば、あなたがほとんど僕のサイトを訪れたことのないことぐらいは分かる。

コンビニに弁当を買いに行く僕の足取りは恐ろしくスローモーだ。僕はいつからこんなに歩くのが下手になったのだろう。コンビニのレジで順番を待っている間、いらいらしている自分に気づく。いかん、これでは単なる不機嫌なオヤジではないか。

この2・3日、朝のドトールに新顔の客が現れて、それは坊主頭にいつも同じピンクのTシャツを着た若者なのだが、いつもアイスティーを頼む彼は、見るからに奇矯な人なのだった。恐らく軽度の知的障害か、重度の精神障害を患っていると思われる彼は、一言も口を利かず、動作が恐ろしくゆっくりだ。レジで頼むときも、いつも同じものを頼んでいるのに、しばらくじっとメニューを眺めて、それからゆっくりとアイスティーを指差すのだった。席についてからも、しばらくはアイスティーを飲まず、両手を膝に置いて、まるで神聖なものを見ているように、じっとアイスティーを見つめ続けるのだった。それからおもむろに、まずガムシロップを恐ろしく丁寧に開けて注ぎ、次にミルクを同様に時間をかけて注ぎ、それからストローをしばらく見つめたあとにゆっくりと開け、それからじっと空になったストローの袋を飽きもせず見つめるのであった。これらの一連の行動のあいだ、彼は決して視線を上げない。飲み始めてからも、一切視線を上げない。要するに、彼は見るからに「変わった人」なのであった。

僕はそんな彼を一度じっくりと観察した。一度も視線を上げない彼は、とても陰鬱に見える。それに、見ているこちらがいらいらしてしまうほど、動作がスローモーだ。今朝も彼は大テーブルについて、同じことをしていた。僕はそれを見て、ふと気づいた。実は僕と彼はそんなに違わないのではないだろうか、と。煙草を吸うか否か、視線を泳がせるか否か、違いはそれぐらいしかないのではないだろうか、と思ってしまったのだ。見ようによっては、僕も彼と大差ないように見えているのではないだろうか。何をするでもなく、いつも同じテイクアウト用のカフェ・ラ・テの蓋を開けて飲み、ぼんやりと視線を泳がせながらただひたすら煙草を吸っているだけの僕。結局のところ、見る人から見れば、そんなに違いはないのかも知れないと思い、僕は言い知れぬ恐怖のようなものを感じた。それは恐らく自意識過剰で、単なる被害妄想に過ぎないとは思うが、それでもちょっと怖くなるのだった。

Posted by Sukeza at August 17, 2007 07:36 PM
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