July 30, 2006

確かに髪は伸びていた。いや、伸び放題と言ってもいい。したがって、本日僕が髪を切ろうと思ったのも無理からぬことだ。しかし、だ。問題はどこで切るかということである。美容室というのは山ほどあるが、腕の方もピンからキリまである。僕はいつもの美容院に予約の電話を入れた。すると、今日は予約が一杯だという。それで、近所の遊歩道沿いにある小さな美容室に行くことを思い立った。結果的にはこれが大失敗だった。

それまで、一応伸びたなりにそれなりの髪型にはなっていた。だから僕はその原型を留めたままにしておきたいとも思ったし、夏だから短くしたいとも思った。要するに迷いはあったのだ。その初めて行く美容院に足を踏み入れると、やたらと厚化粧のブス、いや、あまり見栄えのしない顔の若い女が出てきた。僕は一抹の不安を覚えた。名前と住所を書かされ、席に就くと、唯一の男性と思われる若い男が担当ですと言ってやってきた。そのとき、僕以外にはパーマをかけている女性客ひとりしかいなかった。この時点で気づいてもよかったのだ。日曜日の午後、こんなに空いているというのにはわけがあることに。僕は髪型について自分のアイディアを伝えるのが下手だ。というか、アイディアというものをあまり持ち合わせていない。したがって、大体切る人任せにしてしまう。アバウトなところを言って、早速男は切り始めた。やたらと長い髪がどんどんと切り落とされていく。最終的には、かつらが一個作れるぐらいの髪の毛が僕の周りに落ちていた。途中で鏡を見せられ、どうですか、と訊かれた。まあ、途中だからと思い、よくわからないまま、ちょっと後ろと脇が長いのではないか、と僕は言った。すると、男は手を打ち、そうか、分かった、と言って、さらにどんどこどんどこ切り始めた。気がつくと、なんともアンバランスな、珍妙な髪型になっていた。男がワックスをつけようとするので、僕はいつも使わないので、と断った。じゃあ、お疲れ様でした、と男は唐突に言った。僕は驚いた。まだ途中だと思っていたのだ。というわけで、僕は4000円も取られて、中途半端な髪型にされてしまった。これからまた何ヶ月か、伸びるのを待つしかない。まったく、美容院だけは行きつけのところに行くべきである。

Posted by Sukeza at July 30, 2006 09:34 PM
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