May 27, 2006

酷い目に遭った。始まりは朝起きて顔を洗うときだった。ぐらりと来たので、めまいかな、と思った。その後、普段と同じように朝食を摂り、コーヒーを飲みながらパソコンの電源を入れる。やっぱりめまいがするなあと思いながらパソコンの画面をぼんやりと見ていたら、目が回る。本当に目が回るのだ。時計回りに。これは酷いめまいだな、と思って、カメに餌をやってからソファで横になることにした。ところが、驚いたことに横になっても目が回る。ぐるぐる世界が回る。驚いて目をつむったのだが、それでもめまいは収まらない。ちょっと身体を傾けただけで目が回り、気分が悪くなる。そのうち便意を催したので、ふらふらしながらトイレに座り、用を足していると、突然生唾がどっとあふれだし、便器に向かって朝食べたものをすべて吐いた。それからソファに戻ってまた横になって眠ろうとする。吐いて少しは楽になったかと思えたのだが、やっぱり身体をちょっとでも動かすと酷いめまいがして気分が悪くなる。ときおりうとうととしながらそんな感じで2時間ほどじっとしていたのだが、一向によくなる気配がない。ますます気分は悪くなる一方だ。それで、かかりつけの心療内科に電話をして、先生に症状を話してみると、ぐるぐると回る回転性のめまいは、耳鼻科の領域だと言う。耳鼻科? 思ってもみなかった。それで彼女に電話をする。自分ではとても耳鼻科を検索する元気も体力もなかったから。彼女は飛んできてくれて、パンとかバナナを持ってきてくれた。腹が減ったので、ポテトチップスとパンを食べた。彼女はパソコンで近くの耳鼻科を検索してくれて、時間を確認してくれた。2時半からやっているという。それで、彼女の助けを借りて着替え、彼女に引きずられるようにして駅前の耳鼻科に向かった。ようやっとたどり着くと、待合室はやたらと混んでいて、それだけでめまいを覚えた。実際、靴を脱いで上がるときに目が回り、危うく倒れそうになった。思いのほか早く名前を呼ばれ、診察室に入ると、医者が症状を聞き、耳をまず見た。話によると、内耳性のものということだった。それから廊下でしばらく待たされて、聴覚検査とめまいの検査をした。めまいの検査というものがあること自体驚きだった。どうやるかというと、目隠しのようなゴーグルみたいなものをつけて、目を開けて横を向いたりするのだった。それで、眼球の動きを調べるらしい。確かにめまいがしてますね、と医者は言い、薬を出すのでそれで様子を見て欲しいと言った。薬を飲むと多少はめまいを抑えられるけれども、右を向いたり左を向いたりするとめまいが起こるから、慣らしていくように、ということだった。処方箋をもらい、一階の処方箋薬局へと向かった。レストランの裏手の廊下を通っていると、薬局が目の前に見えた途端に、また生唾が押し寄せてきた。慌てて傍にあったトイレに駆け込むと、駆け込むと同時にさっき食べたものを全部吐いた。一日に二度吐いたのは初めてだ。鼻からも同じものが出ることに気づいた。トイレットペーパーで鼻をかんでみると、鼻からポテトチップスのかけらとかが出てきた。トイレを出て、ようやく薬局にたどり着き、めまいを抑える薬と血行をよくする薬を出してもらった。このころには、二度目に吐いたせいか、ようやくめまいが治まってきた。吐いたせいで腹の中が空っぽだし、薬も早く飲みたい。それで、彼女とドトールに入り、カフェ・ラ・テを飲んでから薬を飲んだ。ようやく人心地がついて、めまいが治まった。僕はようやく吸えるようになった煙草を吸い、コーヒーを飲んだ。それにしても、普通に世の中が見えるということはなんて素晴らしいのだろうと思った。普通でいられることはなんて素敵なんだろうと。少なくとも、ぐるぐる回らない世の中は素晴らしい。

と、ここまで喜んで書いたところ、また再発してしまった。ソファに横になって目をつぶると、目が泳ぐ。目を開けると目が回る。身体を動かすと気分が悪い。困った。なんか、目をつぶること自体が怖くなってきた。まったく、なんて日なのだろう。

Posted by Sukeza at May 27, 2006 07:59 PM | TrackBack
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