December 07, 2005

痒い。身体中が痒い。どうして僕の肌はこんなにも寒さに敏感なのだろう。それにしても、薄着の連中ときたらどうだ。制服で歩いている高校生たち。僕にも確かあんな時代があったはずだ。いや、僕は高校のときは私服だったか。それにしても、こんなに寒がりではなかったはずだ。

マイケル・ギルモア(村上春樹訳)の「心臓を貫かれて」を読み終わる。重い本だった。途中で読むのが辛くなるほど。陰鬱な話で、読み始めたのを途中で後悔したぐらいだ。しかし、このずっしりとした読後感はなんなのだろう。人間はこんなにも多くのものを背負って生きているのだろうか。簡単にまとめれば、この話は人を二人殺して死刑になった男と、その家族の話に過ぎない。考えてみれば、ありふれた話といってもいいくらいだ。しかし、その死刑に至るまでの綿々と続く血、因縁、そして死刑の後も殺人者の兄弟にのしかかるもの。「業」という言葉を思い出す。多かれ少なかれ、我々はなんらかの血を受け継ぎ、背負って生きている。その重さをひしひしと感じる本。

Posted by Sukeza at December 7, 2005 10:39 PM
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