March 01, 2005

佐藤愛子の大作「血脈」をついに読み終わった。この本はそもそも数年前にI 道君から薦められていた本である。奔放と言えば聞こえはいいが、実のところはどうにもダメな人間たちの系譜。そのダメさ加減が半端じゃないから面白い。ここまで奇人・変人が揃った家族というのも凄い。そのダメさ加減が、僕らが誰しも持つ部分のエッセンスを凝縮したような人間たちであるから、読んでいて腹が立ったりもするが(つまりは自分に腹が立つのである)、ここまでダメな人たちが揃うと滑稽でもあり、物悲しくもある。見ていないのに文句を言うのも的外れになる可能性が高いが、今、NHKでちょうどドラマ化されていて、タイトルが「ハチロー」になっているのが気に入らない。もっとも名前が知れているという点でそうしたのだろうが、ハチローは中学生にまで手を出すような最低の人間である。子供が大人になったような、というのは確かにそうかもしれないが、子供ならなにをしても構わないという理屈にはならない。とてもゴールデンタイムのドラマの主人公たるべきキャラクターであるとは思えない。正直、非常に不快な人物である。その周りをうごめく、その上を行くダメ人間たち。彼らの破滅へと向かうさまがある意味痛快でもある。もうホントに無茶苦茶だなあと。とにかく面白い本である。

夜、ケーブルテレビでなんと昔々の大河ドラマ「黄金の日日」をやっていた。見るのは25年ぶりぐらいである。いや、もっとかな? ともあれ、僕が「すけざ」と呼ばれる語源となった今の松本幸四郎、当時の市川染五郎を久々に見ると、全然似てないじゃん。当時、ベースのAとかが、あはは、似てるー、と言っていたのが謎である。

Posted by Sukeza at March 1, 2005 11:46 PM
Comments

読んだ?こないだみたら文庫化もされてた。
俺は中頃までは読んでてとまらんかった。
下巻読む前あたり迄は、ヒトに(創作活動系の)あうたび勧めていたっけ。
物語最終近くなると身内ゆえの手加減と、書き手ゆえの
俯瞰&深入りのバランスを変えたんかな?
いわゆるフツーの文学作品っぽくオチつけたんだぁ、と読み手テンション下がったっけ。陽気なエゴイストって
表現以外は、勧めたことも忘れていました。

ひさしぶり、元気ですか?
誰かに似てるって話しなら貴君は「染五郎」でなく
『強気な女子が汁物屋の金持ちのボンと結婚する迄の
ドタバタ話し』って作品中のトニーレオン、に一票。
では!

Posted by: I道 at March 3, 2005 01:40 AM

僕は文庫で読みました。今、親が読んでます。確かに、上巻がいちばん面白いね。

その映画、なんつー映画? 見てみたいのでタイトル教えて。

僕はすっかり怠け癖がついてます。そちらは元気ですか? そういえば、今M君のメルアドがいっぱいあって、どれが正解かわからないので、ついでに教えてください。

Posted by: Sukeza at March 3, 2005 11:20 AM

従兄の同級生に、サトウハチロー氏の孫、という人がいた。
急に思い出した。

Posted by: J at March 10, 2005 03:59 PM

ぢゅんちゃん、それはホンマかー? もしかしたら、本に出てきてる人かも知れないなー。

Posted by: Sukeza at March 10, 2005 04:17 PM
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