December 17, 2004

今日から僕は自由だ。自由というのはちょっぴり寂しい。どこかふわふわとして落ち着かない。

ロスト・イン・トランスレーション」を見た。ハリウッド映画でリアルな東京の映像を見るというのも不思議だ。それにしても、友情と恋のあいだ、というのは存在するのだろうか。存在するとすれば、それは友情から恋に変わるときなのだろうか。それとも、恋から友情に変わるときだろうか。

さて、昨日の話は続きを。↓

昨日は結局、最後の出社になった。というのも、厳密には来週の月曜までなのだが、なんとなく月曜というのは出たくない。それに事を大袈裟にするのも嫌だ。で、机を片付け、退社の挨拶のメールを出し、フロアを同じくしているクライアントに挨拶し、最後に会社の連中にじゃあね、と言い、ホントに地味に会社を去った。もちろん、送別会なんてものはなし。最後に見送ってくれたのは、腹心の部下(元マニュピレイターでアーティスト)と、普段はあまりしゃべらないが同じ業界出身(元ディレクター)のデブと、総務の女子の3人だけだった。実に大袈裟じゃない退社だった。というか、僕はこれまで確か7社ほど渡り歩いているが、これほど地味な退社は初めてだ。

帰り際に心療内科に寄って4週間分の薬をもらい、乗り換えの渋谷で歩道橋を渡っていると、不意に寂寥感が襲ってきた。解放されたというよりは取り残された、という気分。ちょっぴり現実感がなくて、どこか浮ついた感傷。

ところがそんな感傷も帰宅した途端に吹っ飛んだ。というのも、彼女のためにオークションで落札したコーヒーミルが発送後二日経っても届かない(しかも同じ県内)というので、佐川急便に電話で確認をした。すると、調べてみます、といってちっとも電話がかかってこない。そもそも、昨日届くはずだったのが、回りきれなかったという言い訳も納得がいかない。20分待って痺れを切らしてもう一度電話してみると、あれ、ドライバーから連絡が行きませんでしたか、というので、僕の堪忍袋も切れた。お宅は配達も遅いけど連絡も遅いね。どうでもいいけど、春日部から川口まで2日もかかるなんて、江戸時代じゃあるまいし、歩いたってもう届いてるはずだ。とまくしたてた。すると、おっしゃるとおりで、こちらもあなたの立場ならそう思いますと電話の男は答えた。どうやらドライバーが場所がわからなくて道に迷っているという。確かに彼女の家は少々辺鄙なところにあるが、これまで物が届かなかった試しはないし、郵便だって届いているし、現に当日同じ佐川の違う支部から荷物が届いているというではないか。あのね、道わからないなら交番にでも訊けばいいじゃん、とまで言ったわけである。さすがに電話の担当者も二日もかけて場所がわからないというドライバーにあきれ果てている様子である。彼女に電話を入れてみると、どうやら留守電には中途半端なメッセージ「あのう、佐川ですが……(プツン)」というような爺さんの声が入っていたらしい。その後さらに20分経過、彼女から電話があり、とうとう爺さんは場所が終いまでわからずに、近所まで彼女が出向いていって受け取ったらしい。それを聞いて怒り心頭、また佐川に電話を入れて担当者を呼び出す。あのさ、オレ3回電話したよね、それでメモの用意して。…銀行…支店……。ここに電話代振り込んで。怒り冷め遣らぬままに車に飛び乗り、彼女の家に向かう。っつうのも、パソコンの電源ケーブルを頼んでいたからなのだが。すると、途中で別の男から携帯に電話。運転中だからかけなおすといって切ると、彼女と合流、まずい喫茶店に入る。僕が武勇伝を語りまくっているとまた携帯が鳴った。あのう、申し訳ありませんでした。無言。えっ、それだけ? と僕はマジで訊いた。いやあ、こういうの初めてなものですから。あのな、お前は初潮を迎えた中学生か? とまでは言わなかったが、呆れ果てた僕は、これがアメリカだったら間違いなく弁護士があいだに入って裁判沙汰だよ。それだといくらかかるか分かる? そもそもこれで僕は小一時間ほど無駄にしたわけだけれど、僕の時給はいくらなのかな? 僕がやくざか圧力団体だったらこんなもんじゃすまないよ。とにかく電話代振り込んで。わかりました。と、以上のような会話がなされたのだが、一夜明けた現在、僕の口座にはまだ一銭も振り込まれていない。

Posted by Sukeza at December 17, 2004 11:33 PM
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