muic vol.1

「箱庭の様子」

あんまりネガティブな話ばかりしたくないのだけれど..

うーん景気が悪い。

とにかく景気が悪い。どこにいっても景気のいい話を聞かない。音楽業界はとにかくいま厳しい。

このあいだ(7月)バンドの仕事で初めてロンドンに1週間ばかりいってきたんだけれど、失業率で有名なイギリスも思ったより全然余裕がある。確かに昼間っからパブでワールドカップを見ている大人が結構多いのだけれど、みんな意外と呑気なのだ。治安も全然いいし。東京に帰ってきたら、こっちの方がまるで余裕がない感じだ。失業率も5パーセントだなんだという声も聞こえるし。気のせいか日本の方が余程治安が悪いような印象だ。どうでもいいけど、国際線全面禁煙とはどういうことだ!頼むから喫煙場所をつくってくれ。辛すぎる。

という訳で音楽業界は今とても不況なのです。レコード会社各社とも来年の新人のラインナップの話をすると、アルバムアーティストを育てる余裕のあるところは一部を除いてほとんどない。おまけにリリース数を絞る話ばかりである。作家たちにとってまだまだ厳しい状況が続きそうだ。

ちなみにこの業界で作家というのは、作詞家、作曲家、編曲家のことです。最近新人の作家と打ち合わせするときに初めに必ず話すのだけれど、ここ数年来、専業作家はまず食えない。というのも、アイドル全盛期と違って、アーティスト自身が詞曲を書いたり、小室氏に代表されるプロデューサーが書く割合が圧倒的に増えたので、作家にまわる仕事の絶対量自体が激減してしまったからである。夢の無い話で申し訳ないが、現実は厳しい。確かに昔に比べてミリオンセラーの数は多いので、それこそ一発当ればデカイけれども、長い目で見ればプロデューサーとしてのポジションを得ない限り、食っていくのは厳しいのがいまの現状だ。それでも僕ら作り手からすると、有望な新人作家は常に求めているので、正確にいうとより力量・才能を求められて、平均レベルの作家は淘汰されていくということなのかもしれない。

それはそうとこの間、久しぶりに作詞教室の先生をやってしまった。帰り際に可愛い女性の生徒ふたりに声をかけられたのだが、1時間オーバーするほど熱く語り過ぎてへとへとだったので名刺を渡すのを忘れてしまった。うーん。でもオレもまだまだ棄てたもんじゃないぞ、と思っておこう。

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