55 to 56

7月19日、日曜日→ 7月20日、月曜日。

久々に会社に顔を出してみると、自分の居場所がなかった。僕の机には大学卒業後最初に勤めた業界誌の当時の編集長が座っていた。どうも会社の空気がおかしい。妙によそよそしい。もはやこの会社が僕を必要としていないのは明らかだった。皆が僕を白々しい目で見る。誰が何を言うわけでもないのだが、そこには僕という人間はお払い箱であるという会社の企図が満ちていた。会社からの帰り道、レコード会社時代の同僚である同い年のKらしき人物と一緒に僕は歩いていた。Kは本来なら事故で不自由になった左足を引き摺って歩くのだが、何故か普通に歩いていた。そもそも今僕が後にした会社はレコード会社ではなく、僕が最後に勤めた着メロ制作の会社であったはずなのだが。僕とKは黙って歩道を歩いた。Kはなにやら大きな箱のようなバッグを抱えており、その中には猫がいた。子猫だった。

……というような夢を見て起きた。いつものことながら、浴衣の前がはだけて、おまけに布団まで剥がして全裸同様だった。それでもなんか暑い気がした。外は天気がよく、今日は暑くなると思った。

朝食後、今日は久しぶりに小説を書こうと思っていた。ところが、頭が金縛りにでもあったように回らない。まったく、何も出来る気がしない。机に向かおうと考えただけで煮詰まってしまう。前述のように暑くなると思ったこともあり、ここまで煮詰まってしまうとどうにもならないので業務に涼みに行くことにした。とにかく午前中の煮詰まりだけでもやり過ごそうと思ったのだった。1時過ぎに帰宅すると、冷房で身体はすっかり冷え切っていた。それに、台所の窓を開けているとどうも思ったほど暑くはないということが分かった。卵かけご飯の昼食を摂るが、小説を書くどころか何か出来る気が一向にしなかった。そんな風に煮詰まっていると、2時過ぎに眠気がやってきた。どうしてこう毎日眠くなるのか。あまりにも眠気が酷いので諦めて書斎のソファで横になった。何やら夢を見たのだが、それよりも目が覚めるとソファの肘掛けに乗っけていた右足の膝がやけに痛くて、そのせいで夢の中身はすっかり忘れてしまった。時計を見ると一時間経過していた。

このところの習いで昼寝をすると調子が悪くなる。台所に戻ると手に力が入らずだるいような感覚があり、気分が悪くなりそうだった。そんなわけで今日も日中はまったく使い物にならなかった。ワードを立ち上げただけで、小説はただの一文字も書けなかった。夕方になっても気分の悪さは治まらずただの具合の悪い人と化していたが、明日は母が一時帰宅するし弟も仙台から来るというので、一念発起して近所の洋菓子屋に茶菓子を買いに歩いていった。一旦帰宅後に思い直して今度は車でスーパーに買い物に。あまりにも気分が悪いのでそういう風に無理やり身体を動かすしかなかった。

6時半ごろに歩いて母のところに行く。

sora2

今日の母は昨日までと一変して記憶やらなにやらが覚束なくなっていた。同じことを何度も繰り返していう。明日が僕の誕生日だというと、何月何日か、何度教えてもどうしても覚えられない。そもそも今が何月かもよく分かっていないようだ。どうにも、一夜明けてすっかり呆けてしまったようにも見える。一日でそんな急に呆けるとは考えられないので、これも統合失調症による認知機能のムラだとは思うのだが。

母のところから帰宅後の夜はJリーグの試合とダイジェストを見て、huluでちょっと映画を見て、芥川賞を取ったばかりの又吉の情熱大陸を見た。そして、時計が0時を回って日付が変わり、僕は56歳になった。

かように、気がつくと僕の55歳の最後の日は何一つ出来ないままに終わっていた。

今日は天気がよかったわりには暑くなかった。夕方以降はむしろ涼しかった。それで、母の一時帰宅を明日(つまり今日だ)にしたのは僕の誕生日でもあるけれど天気予報で雨が降りそうになかったからなのだが、今日の天気予報によると明日は雨。本来なら今日が雨のはずだったのだが。

そういえば夜になって今日も頭痛がしてアドヴィルを飲んだ。最近は2日に一度ぐらいは頭痛薬飲んでる気がする。

カテゴリー: 未分類 パーマリンク