レイン・ツリー

雨が降っている。お陰で外に出る気はしないが、夜の雨はなんとなく悪くない。それに窓を開けていると涼しい。土砂降りじゃない雨の音は悪くない。そのせいかどうか知らないが、小説の続きを書いた。続きを書き始めるのに時間を要したのは、次のパラグラフがストーリーの方向を決めるから。が、実際にはその直前まで。まだ方向は定まっていないが、ぼんやりとした方角は見えてきた。今回は性描写を一切入れないつもりだ。というのも、うつ病が酷くなって以来、小説の中で性描写を読むのが苦痛に感じるようになったから。ま、必要ならば書かざるを得ないが。性描写なしで暴力のある小説を書けるだろうか、と今ふと思った。ハメットの「血の収穫」があるな。うむ。まああんまり決め付けないでテキトーにやろう。長編だし。

雨と言えば、昔々、六本木にWAVEという巨大なレコード屋のビルがあり、その1階に「レイン・ツリー」というカフェがあった。ロケーション的に分かりやすいので打ち合わせによく使った。上の階でレコードを見ているときにユーミンとばったり会って、コーヒーをおごってもらったこともある。いろんな人とテーブルを挟んだ。そんなことを思い出す。ちなみに、もっと上の階にはSEDICというレコーディング・スタジオがあった。料金が高いのと閉塞感があるのでそう頻繁には使わなかった。それに、六本木は都内で出前の食事が一番高い。ん? 銀座かな……。なんか印象としては六本木なのだが。

今日は前述のように夜になって小説を書いたり、ギターの練習をちょこっとやったり、トータルではそれほど悪い状態ではなかったが、やっぱり夕方帰宅途中から精神的に不安定というか、寂寥感のようなものが満ちてきて、結局頓服2錠飲んで2時間ほど昼寝。実際のところ、何かやってないと、これを書いている今も手を止めると誰かと無性に電話で話したくなる。

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