午前中のない世界、神秘大通り、ムーンライズ・キングダム

12月22日、金曜日。

まったくもって当たり前なのだが、昼過ぎに起きると食後の珈琲を飲みながら煙草を吸っているともう1時を過ぎる。唖然たり。というわけでジョン・アーヴィング「神秘大通り」読了。

くどいようだがアーヴィングの小説に熊が出て来ないなんて、村上春樹の小説に「やれやれ」が出て来ないようなものである。それにしても傑作だ。過酷な運命を軽妙に書くということにかけては、右に出る者がいない。アーヴィングにかかっては死すらある意味滑稽な幻想のような気がしてしまう。

昨日のように酷いうつ傾向にあったわけではなく、むしろ昼過ぎに起きてしまったことをポジティブに考えている自分がいてちょっと驚いたのだが、それにしても起きた時間が時間なので何をするにも中途半端。今日の場合、相場はクリスマス前の最後の金曜日ということで様子見、よって業務に行きたいと思ったので素直に行ってみた。すると珍しくいつものネタは他の客が粘っていて断念、昔使っていたネタが空いていたのでお遊び程度に。今日のところは勝つほどツイてはいなかったが負けるほどツキがなかったわけではなかった。実に中途半端だが5時前にしばし考えてヤメ。帰りがけに図書館に寄ってアーヴィングを返却し、桐野夏生「アイム・ソーリー・ママ」(未読)を延長する。

帰宅後の夕方、チャートを見ていて発作的にポジションを取ってしまう。するとこれが裏目ったような気がして損切りというかドテン(ポジションをひっくり返す)、するとこれまた裏目ってまたドテン、これが裏の裏、という具合に往復ビンタを食らいまくる結果に。ドテンするとポジション量が多いので上手くいかないと結構な損失になる。そこから気を取り直してさらにドテンしてなおかつ買い増ししてようやっと半分近くを取り戻す。トレードとしては失敗なのだが、なんていうかちょっと面白かった。もうちょっとやってみたかったが母のところへ行く時間になって時間切れ。夜はもう相場に手をつける気はなし。負けで終わっているのは正直凄く悔しいのだが。

そんなわけで夕食後の夜はアマゾンのプライムビデオでウェス・アンダーソン監督「ムーンライズ・キングダム」を見た。これが大層面白かった。

ツイートしたように子供の出る映画は苦手なんだけれども、その辺を考慮しても実にバランスの取れた、肩の力が抜けた素晴らしい演出。それにポップだ。駆け落ちする子供ということでは「小さな恋のメロディ」を思い出すが、もっとずっと奇妙な味わい。子供というのは弱いものであると同時にある意味スーパーヒーローでもあるという。その辺の発想は特に目新しいものではないのだが、ちっとも深刻にならないという点ではアーヴィングの小説にも通じる感覚。いい意味での軽さがある。ファンタジーにならずにハッピーエンドで収める手腕は見事。見終わったときの八方丸く収まった感が素晴らしく気持ちいい。

それはそうと、明日からは土日、来週からは雪の予報、ひとまず昼過ぎまで寝てしまった今日どうするか。クリスマスを挟んで来週の月火は相場はほとんど参加者がおらずやる意味がないので事実上年内は休むか。とすると長い年末をどう過ごしたらよいのか。映画を見まくるといっても限界がある気が。日中は久々に業務に頑張るという手もあるが土日は混んでるだろうから今一つ乗れない。いわゆるそして僕は途方に暮れる感。

カテゴリー: 未分類 パーマリンク