想像上の嘔吐、春雷、ビートルズ

昨夜は2時ごろに寝たのだが、いつごろなのか、珍しくトイレに起きて用を足していたら激しい吐き気、そのまま我慢して再び床に就いたがこれは吐くかも知れないな、などと思って我慢していたらいつの間にか再び眠りに落ちた。で、吐きそうになる夢を見た。6時に目が覚める。案の定まだ吐き気の残滓は残っている。吐き気止めを飲み、胃薬も飲む。抗がん剤の副作用だとは思うが、何故夜中、それも就寝中に来たのかよく分からない。とにかく、これまでで一番強い嘔吐感だった。朝食後、なんとか持ち直し、何故か昨日手直ししていた曲のサビのメロディが浮かび、譜面を書いたりする。業務に行ったはいいものの、やっぱり体調が悪い。このままだと気分が悪くなると思い、1時過ぎに切り上げて帰る。実際、駅からの帰り道は息も絶え絶えだった。これは睡眠不足もあるだろうな、と思い、帰宅してまた吐き気止めを飲み、ソファで1時間ばかり眠った。それで少しはマシになったが体調がいいとはとても言い難い。YouTubeでぼんやりとビートルズのホワイト・アルバムを聴いていると、雷の音が轟き、雨の音が聞こえた。ビートルズを久しぶりに聴きながら、ふと、音楽を聴くということはどういうことか、という一種の疑念が頭に浮かび、それから音楽を聴けなくなった。日が暮れた後、夕食を買うために外に出ると、雨は上がっていた。セブンイレブンで新発売の野菜カレーを買ってみる。おいしかった。この時点で体調は大分マシになってきたので、ギターを20分ほど弾く。だがやっぱり音楽を聴く気にはなれない。静寂の中でソファに寝転んで、貴志圭介「悪の教典」をときおり休みながら読んでいると、夜になるにつれ精神的に煮詰まっていき、無闇な閉塞感を覚える。日中は気にならなかった静寂というものが僕を押し潰そうとする。なかなかソファから起き上がることが出来ない。茫洋としている間にもどんどん精神が磨耗していく。このままだとすっかり磨り減ってしまう気がして、ようやく起き上がり、椅子に座って今度はアビー・ロードを聴いてみる。有名なジャケットの写真を見ていると、昔ロンドンに仕事で行って、この横断歩道でバンドの連中が真似をするというベタな写真を撮影している間、タクシーで車酔いになった僕がアビー・ロード・スタジオの壁にもたれて青ざめた顔をして座り込んでいたことを思い出す。あのときも今にも吐きそうだった。そういえばようやっと帽子が届いた。生まれて初めてニット帽というものを被って鏡を見る。今は髪が短いので頭がぺったんこになり、似合っているのか似合ってないのかさっぱり分からない。いずれにせよ、これを被らないで済むのなら有難いのだが。一体いつ髪が抜けるのだろう。

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