クレセントムーン

7月26日、水曜日。

ネット上に(ほぼ)毎日日記を書くようになってもうどれぐらい経つだろうか。20世紀から21世紀に変わるころには間欠的に書いていたし、毎日のように書くようになったのはうつ病になってからだと思うのでかれこれもう15年以上にはなるはず。にもかかわらずこの日記の読者が一向に増えないのは、単純につまらないからだと思う。例えば僕が田舎に帰った2013年のように一年中ジェットコースターのようにいろんな(ろくでもない)ことが起こった年というのも稀にあるけれど、そんな年は滅多になく、毎年そんな災厄ばかりであってはたまったものじゃないが、基本的に日常などというものは日常的であって非日常的ではないので、そもそも面白いわけがない。例えば今の僕の日常であれば人より遅い時間に夢を見て起きて、業務に行って相場をやって昼寝して母のところに顔を出す、ほぼこれの繰り返しである。土日は相場がない分何をしたらいいのか右往左往するというのはあるが、それも含めて毎日毎日、毎週毎週ほぼ同じような日常を過ごしているので、これで面白い日記を書けるわけがない。毎日、昨夜のような奇怪な生物に襲われるわけではない。これが菊地成孔みたいに歌舞伎町にでも住んでいてしかもあれこれ仕事を忙しくしている人間であればいくらでも書くことがあるのだろうが、夜歩いていると不審人物に思われてしまうような山形の片田舎に蟄居していてはたまにタヌキを見かけてびっくりするぐらいが関の山であって、胸をときめかせる出会いなんてものは地政学上ないと言ってもいい。なので、奇特にも毎日読んでくれている数少ない読者の方々も10時10分起床とか書いただけでまたかよ!という話になるし、やれ業務に行った、相場をやった、眠くなって昼寝をした、というたびにまたかよ!となるはずである。

という具合に長い言い訳のような前置きを書いてみたのだが、要するに今日も相変わらずだということだ。

なんかの夢を見て10時10分という何をやるにも中途半端な時間に起きて、相場に入るタイミングを逸して指値だけ置いて業務に行き、1時間に1回煙草休憩をしながら相場のレートをチェックし、ふと思いついたタイミングでポジションを取り、一度相場のポジションを取ってしまうとそっちの方が気になってしまい、業務の方は適当に格好をつけて切りあげて帰りがけにスーパーに寄ってパンとかの買い物をして、昨日までとは打って変わって暑さが戻り帰宅後は書斎の冷房をオンにして相場のチャートと向き合い、そのうち立て続けに指値が成立して引っ込みがつかなくなり買い下がってポジションを作って決済指値とストップを置いて後は目を瞑って母のところに行き、母のところから帰るころには外は涼しい風が吹き上空には三日月が浮かんでいた。

とまあ、夜の8時までは一文で済んでしまう。

今回はユーロドルのポジションなのでテレビのニュースではチェック出来ず、帰宅後果たしてポジションはどうなったか、まだ生き残っているのかと固唾を飲んでチャートを見ると、ポジションがない。ああやっぱりストップを食らったのかと一瞬愕然としそうになるがよく見ると証拠金は増えており、ついたのはストップではなく決済指値の方だった。実に不思議なのだがストップを食らうことは日常茶飯事的にやたらめったらあるのに、指値で決済出来ることは滅多にない。まあ今日は若干甘めに指しておいたのが結果的には正解だった。

それで安心して煙草を一服してから夕飯の支度なのだが、今日は賞味期限の関係で納豆と豆腐と卵と明太子は食べなければならないのでメニューはおのずと決まっている。何の加減で全部が全部一斉に賞味期限が来たのかその辺がよく分からないのだけれど、例えば電気製品がひとつ壊れると連鎖的に立て続けに壊れるというあれと一緒か。違うか。

ともあれ夕食を済ませると今日はこれ以上リスクを背負う気はすっかりなくなり、というのもどっちにしろ深夜3時にFOMCの政策金利の発表という一大イベントがあるし、それでなくても今日はハナから方向性がよく分からなかった。なので夜は相場のポジションを取らず。昼間あれだけ暑かったのに夜になると窓を開けていると肌寒く感じるくらいに涼しい。と、10時前になって突如として眠気が襲ってきて危機一髪、かなりぐらぐらになりそうになったもののなんとかこらえて珈琲を淹れて飲みながら珈琲の生豆を煎る。さすがに火を使っていては寝るようなことはあるまい、と思って。で、YouTubeで菊地成孔のラジオの深夜放送を聞くというなんだか中学生のようなことをしながらしばしギターを弾いてみる。ここんところ筋トレはすっかりさぼっていて、基本的には精神的ダイエットをしているのだということにしているのだが、毎晩入浴時に体重を計ると当たり前のように減らない。というか当たり前である。しかしおっかしいなあ、人は例えば失恋とかすると痩せたりするじゃんか、あれと同じ要領で論理的には精神的にダイエット出来るはず。しかしながらここ一ヵ月ばかり毎日体重を計った結果、毎日失恋でもしない限り精神的ダイエットでは体重は減らないということが分かった。ちと気づくのが遅過ぎた。

というわけでほぼいつも通りの本日、唯一評価出来るのは台所と玄関に掃除機をかけたことぐらいか。

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