予定調和的審判、あるいは宣告

病名:悪性リンパ腫
分類:びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫
病期:第Ⅲ期

朝駅前のドトールで母親と待ち合わせ、病院へ。例によって診察室に呼ばれたのは2時間後。僕だけ診察室に入って話を聞く。で、検査結果の前にいきなり病名宣告、悪性リンパ腫、つまり血液の癌。悪性リンパ腫には大まかに分けて2つあり、ひとつは日本人に圧倒的に多い非ホジキンリンパ腫、もうひとつは欧米人に多い(日本人は10%)ホジキンリンパ腫。僕は非ホジキンリンパ腫の方で、正確な分類はびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、日本人にもっとも多い、もっともありふれたリンパ腫。ウィキペディアを鵜呑みにすれば、寛解率は非常に高い(ある種の薬を使えば95%)。そんなわけで一昨日のPET検査の写真を医者がペタッと貼った。まずは全身写真。癌細胞が集まっているところが白くなっている。事前の情報ではやたらと一杯ある、ということだったが、ぱっと見ではそうでもなかった。頭と心臓が真っ白なのにはびっくりしたが、これは活発に活動しているから正常だとのこと。ざっと見て、上半身に5・6箇所、わりとてんでばらばらにある。次に輪切りにしたCTの写真。これは癌細胞のところが赤く写っている。一番目立つのは脾臓で、真っ赤っか。医者曰く、普通の倍ぐらいに癌細胞で肥大しているらしい。脾臓って何をやってるところだ? というわけで今ウィキペディアで調べてみると、免疫機能や血液関係みたいだ。場所を見ると、数年前からたまにちくちく痛みがあったところ。そのときにCTを撮って異常なしということだったが。いずれにしてもいつから出来たかは分からない。ⅠからⅣまである病期、つまり進行度合はⅢ、これは脾臓まで達しているからで、横隔膜より下にまで進行しているとⅢのよう。つまり下から2番目。しかし、前述のウィキペディアによると、非ホジキン腫の場合、病期は重要ではない、ということになっている。まあ血液の癌だから全身どこに出来ても不思議ではない。一応母親が来ていることを告げると医者が説明するというので母親を呼び、医者がもう一度始めから説明した。で、早い方がいいということで、来週の火曜から治療入院することに。医者は一応2週間押さえていたが、一週間から10日ぐらいとのこと。病気よりもどっちかというと入院の方が憂鬱。その後は通院治療。最初に入院するのは抗がん剤を選ぶため。1階で入院の受付と会計を済ませ、病院を出て母と喫茶店で遅い昼食を食べているときに診察券がないことに気づき、食べ終わってまた病院に戻るがカウンターには届いておらず、ATMに長時間差しっぱなしになっていると吸い込まれてしまうということで、来週の入院時にあればよし、なければ即再発行とのこと。もうこのころは既にへろへろ、また駅を目指して歩くが気分が悪くなるくらい疲れていたので駅前のドトールで休憩、母親の新幹線に間に合う電車をiPhoneで調べる。大宮まで母を送ったが、車中では額に脂汗びっしょり、もはや単なる具合の悪い人になっていた。新幹線の改札口まで送ってから地元の駅に戻り、一気に帰宅する余力が残ってないので、ひとまずキウィフルーツのジュースを買って遊歩道のベンチで休憩、I泉さんと電話。それからまた駅まで戻ってスーパーで夕飯を買い、ようやく帰宅。夕食後、あまりにも疲れたせいか物凄く気持ち悪くなり、ソファに横臥しているうちに気絶、少年のころの夢などを見てそのまま死んでもおかしくない感じだったが3時間後ぐらいに蘇生、目が覚めても疲労でへろへろ、しばらく放心。なんか病名が決定してから急に病人っぽくなったような気が。

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