断片

vox

12月22日、木曜日。

どういう加減なのか、今朝は起きられなかった。昨日との違いはというとアラームをセットしなかったことだが、現実問題として昨日はアラームの遥か前に目が覚めたわけだから。

ロッジ風のこぢんまりとしたホテルのバーカウンターで僕は連れ合いを待っていた。村上春樹の「羊をめぐる冒険」に出てくるいるかホテルみたいなところだ。確かに待ってはいるものの、それが誰なのかは定かではなかった。一体僕の連れとは誰なのだろう? そもそも女性なのか男性なのかすら判然としないが、たぶん女性だと思われる。突如場面は変わって巨大な岩壁と岩壁の間の狭い空間、まるで何かの遺跡のようなところに僕はいて、その岩と岩の狭間に何かないか探している。何かの痕跡を僕は探している。相変わらず連れは来ない。

そこでドアチャイムが鳴って目が覚めた。返事をしながら慌てて起きる。時間を見ると、10時46分だった。10時46分。うーん、なんてこった。ナイトガウンを羽織る暇もなく、パジャマ代わりのジャージで玄関の鍵を開けると、昨日アマゾンに注文したギターアンプが届いたのだった。ハンコを押して受け取る。小さいアンプを買ったつもりだが段ボール箱は案外と大きかった。朝食後に開けてみるとさらに中に段ボールの箱があり、という具合に二重になっていた。意外と重いがアンプ自体は冒頭の写真のように椅子に乗っかるぐらいの大きさ。

早速ギターを繋いでスイッチを入れてみるが音が出ない。はて?と思ってゲインを上げたりボリュームを上げたりするが変化なし。そこでギター(ストラト)のスイッチをぐりぐりすると音が出た。要するにギターのスイッチの接触不良だった。考えてみるとギターをアンプに繋いで弾くというのは物凄い久しぶり。これまで曲を作ったときはアンプを使用せずにエフェクターを噛ませてMTRに直接ぶっこんで弾いていた。僕がアンプでギターを鳴らすのはライブの本番以外ではスタジオでバンドの練習をするときぐらい。昨日も書いたように一時期いまみちくんにもらったアンプを持っていたこともあったのだがスイッチを入れたことがなく、自分ちでアンプにギターを繋いで弾くのは初めてか。いや、高校時代に弟がしょぼいアンプを持っていたような記憶がうっすらとある。とにかく、僕の記憶上では生まれて初めて感がある。アンプに繋いでギターを弾くと、当たり前だが音がギターからではなくアンプから聞こえる。つまり右側の椅子にアンプを置いているものだから右側から音が出る。これがなんか奇妙な感じだ。普段からアンプに繋いで弾いている人には当たり前のことなのだろうが。

前回スタジオでバンドの練習をしたのはたぶん6~7年くらい前。そもそもエレキギターというのはアンプに繋いで弾くように出来ている。というわけでマイクの切り替えスイッチをあれこれいじってみると、音が随分変わる。当たり前である。トーンコントロールひとつでもかなり音が変わる。そういう当たり前のことに、初めてスイッチを押すことを覚えた猿のように好奇心を覚える。アンプを通すと音は増幅される。それはつまり、単純にでかい音が出るというだけではなく、自分の下手さ加減までがアンプリファイアされるということだ。いつも素でギターをなんとなく弾いてたのが、ああ俺はこんなに下手だったのね的に少々めげる。そういえばボーカルのキウチがギターはアンプに繋いで練習した方が上手くなりますよと言っていたが、このことだったのか。

という具合に、あれこれと初めてギターを弾いた人のような気持ちで弾いてみる。このギターアンプという代物、僕にとっては大人のおもちゃである。

てな感じでギターをちょこちょこと弾いてはいたものの、それ以外にはこれといって何もしない一日。10時46分まで寝たというのに日中は間欠的に眠気が襲ってきて参る。今日もコタツで気絶。なんでこんなに眠いのだろうか。感覚的には丸一日眠かった。冬眠の季節なのか。

何もしなくても一日は過ぎ、夜は更ける。

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