ブルー、恋は水色

12月19日、土曜日。

昨夜、梅酒で酔っ払って寝床で星野智幸「呪文」を読みながらまず睡眠薬のルネスタを飲み、それからロヒプノールを飲んだ。で、ティッシュに唾を吐くと唾が水色なのに驚いた。ガメラの血の色を一瞬思い出したがあれは緑だったか。ともかく、何度唾を吐いても鮮やかな水色というか青。一体何事が起きたのかと思ったが、大方ロヒプノールが口中に溶けて残っているのだろうと思い、そのまま眠った。

友人のフィリップ・セスとレコーディングしている夢を見た。どうにも気に入らなくて僕は何度もフィリップにNGを出した。一度目が覚めたがどうやらまだ酒が残っているというか悪酔いしたらしく気分が悪い。気持ち悪いのでそのまま二度寝。

で、結局目が覚めたのは10時半過ぎだった。昨夜の雨が雪に変わるのではと思っていたが、窓外の景色はまったく雪景色ではなかった。雪にはならなかったようだ。階下に降りていつものようにオーブントースターを温めながら洗面所に行って顔を洗い、なんとなく唾を吐くと驚いたことにまだ青い。本当に驚いた。汚い話で恐縮だがびびりながら痰を吐いてみると色鮮やかな青。ちょうどファンシーグッズによくあるような、ピンクの対象色として使われるような青い色なのである。鏡に向かって舌を出すと、舌が水色である。

さすがにこれには口の中だけではなく青ざめた。一体これはなんなのだろう。トーストの朝食を摂りながらノートPCを立ち上げ、「唾 水色」とか「唾 青」とかでググってみる。もしかしてそういう病気が存在するのかもと思ったのだ。COPDとか昨夜から気になっていたせいもあって、もしかしてこれは肺から出てきたのではないかとか。

当たり前の話ではあるが、ほとんどヒットしなかった。世の中に唾が水色になったり青くなったりして悩んでいる人はただの一人もいなかった。わずかに「極度に体温が下がると舌が青くなる」という記事がひとつあっただけだった。

食後の珈琲を飲みながら、はて、これは一体何が起きているのだろうとひとしきり悩む。煙草を一服して、恐る恐るティッシュに唾を吐いてみる。もう青くない。何度か試すが大丈夫だ。

そこで「ロヒプノール 色」でググってみた。前回処方されたときに、色が変わったんですと薬剤師に言われたからである。案の定これだった。ロヒプノールはそれまでの白色から溶けたり砕いたりすると青くなるように着色されたということ。どうやら睡眠薬を使った犯罪を予防するためらしい。

要するにロヒプノールを飲み下し損ね、口の中が渇いていたために一晩口中に留まっていたようだ。最近嚥下障害っぽく薬を飲むのに一苦労するので、そのせいだろう。こうして分かってみるとなんてことはないのだが、朝唾とか痰とか舌とかが青かったときはまるで宇宙人を目撃してしまったような、天地がひっくり返りでもしたような気がした。それぐらい驚いた。

いやあ、世にも珍しい奇病じゃなくてよかったです。

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午前中からちらほらと雪が舞い落ちてきた。積もるほどではなかったけれど。さすがに今日は寒かった。

前述のように悪酔いした感じであまりよく眠れなったので今日も一日中眠気に悩まされた。何をしたらいいのかさっぱり分からなくなって完全に煮詰まり、いつもなら行かない午後になって業務に行った。で、ようやっと結果が伴う。夕方までかかったが。

帰宅後、寒いので台所の暖房の真ん前で珈琲を飲んでいると今度は猛烈な睡魔が。あったまると眠くなるという。眠気を振り切ってなんとか母のところに行くものの、あくびを連発。

そんなわけだから年賀状を作ろうとしても眠気で頭が回らず。何もする気になれないし何も出来る気がしない。何をしたらいいか分からない。何のために生きているのかという禅問答のような一日。

ま、母と僕のセーターの洗濯はしたけれど。

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