救急外来にて

9月28日、月曜日。

病院の救急外来の待合室は思いの外狭く、ベンチシートが四つあるだけだった。僕はその3番目に座った。そこしか空いていなかったからだ。後ろの席の老婆が二人、声高にきつい訛りで話している。受付の守衛も訛っていたし、看護師も訛っていた。僕は読みかけのアーヴィング「ガープの世界」下巻を読みながら、ああこんなところで死ぬのは嫌だなと思った。

病院の救急外来に駆け込むほど具合が悪かったのである。昨夜も何を思ったか睡眠薬をいつものレンドルミンではなく新しいベルソムラの方を飲んでしまい、日中の眠気が凄かった。午前中と夕方にソファで寝込んでしまい、動悸と息苦しさに夕方以降吐き気が酷くなり、吐き気止めのプリンペランを飲んではみたのだが6時を回ったころにあまりにも気分が悪いのでとうとう意を決して病院に行くことにしたのだった。真面目な話、このまま死ぬのでは、少なくともそのまま入院しなければならないのではと思ったぐらいに具合が悪かった。

ようやく診察の順番が回ってきた。白髪交じりの太った初老の医師の胸には「鈴木」という札がついていた。僕は一週間前の火曜日から始まった今回の不調の症状のあれこれを訴えた。それで、結局鈴木医師の診断はうつ病の身体的症状だろうということだった。これにはいささか驚いた。うつ病が酷くなってかれこれ10年以上になるが、精神由来でここまで身体的症状が酷くなるとは思ってもみなかった。なにしろこのまま死んでしまうのではと思ったくらいだから。しかし考えてみれば数年前にまだ結婚していたころ、駅でぶっ倒れて当時の妻にチアノーゼが出ていると言われたことがあったことを思い出す。

僕が恐れていたのは胃癌とか肺がんとかだったらどうしようということだったが、その意味では(いい意味で)拍子抜けだった。帰宅後、遅い夕飯を食べる。うつ病の症状と言われるとそんなものだったのかということで少し気が楽になり、不思議なことに極度の気分の悪さも少しましになった。まったく、いろんな意味で「病は気から」ということなのだろう。

それにしてもまだあちこち調子が悪く、悠長に日記を書く余裕はあまりない。妙に肩が凝るし。いずれにしても、金輪際ベルソムラは飲まないようにしよう。もうこりごりだ。捨ててしまおう。

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