Birthday on TV

7月20日、月曜日。

それなりに8時台に起きる。56歳の誕生日の本日は、午後母が一時帰宅して弟も仙台からやってきたこともあり、なんとか昼寝はせずに済んだ。なんていうか、昼寝をしなかっということが特筆すべきことになっているのが情けない。

午前中から昼過ぎにかけては雨が降ったり止んだり、思いの外涼しかった。弟は昼前にやってきて、昼食にラーメン屋で冷やし中華をおごってくれた。前回量が少なく感じたので今日は大盛りを頼んだら、量が倍ぐらいあって食べ切れなかった。失敗したっぽい。

予定は2時からだったのだが、特養に電話してちょっと早めてもらい、1時半に弟と母を迎えに行った。ちょうど雨が上がった頃合。帰宅した母を縁側の籐椅子に座らせたが、窓を開けていると涼しくて冷房を入れずに済んだ。昨日は調子の悪かった母だが、眼鏡をかけさせると気のせいか落ち着いた表情に見える。実際、今日は繰り言をするわけでもなく、比較的落ち着いていたと思う。確かに記憶は怪しいのだけれど。

弟に母を任せて台所で煙草を一服しているときに時計を見るとちょうど指標のタイミングで、ツイッターで指標の結果を見てつい相場のポジションを取ってしまった。今日は様子見にする予定であったし、まだ母も弟もいる間にどうしてポジってしまったのか。これで引っ込みがつかなくなってしまった。

4時ごろに弟と母を特養に連れていき、弟は僕を自宅まで送るとその足で仙台に帰っていった。先ほどつい出来心で取ってしまったポジションは裏目に出て、なし崩しにポジションを積み上げてしまい、そのうちひとつストップを食らった。そもそもポジションを取ったこと自体が予定外のことなので一時は頭を抱えたが、幸いにして夕方から反転して行って来いになり、トータルでプラスに転じたところで手仕舞い。やれやれというところ。

母を自宅に連れてきたころは涼しかったのに、その後青空が見え始め夕方近くなって蒸し暑くなってきた。夕飯は弟が持ってきてくれた弟の奥さんが作った「だし」(キュウリ、ナス、ミョウガなどの生野菜を細かく切ったもの。醤油をかけて食べる)を久しぶりに食べた。夕飯を食べながらなんとなくブラタモリをちらちらと見ていたのだが、そのままさらになんとなく月9のドラマ「恋仲」を見てしまった。どうやら今日から始まったドラマっぽい。ドラマをリアルタイムで見るなんて何年ぶりだろうか。「JIN -仁ー」以来だ。普段とにかくテレビを見ないので若い役者を全然知らない。このいかにも典型的でベタな青春恋愛ドラマを美男美女の若者たちが演じているのは、今日で56歳になったおっさんにはまったくもって他人事であり、見ていてどこか妙にこっぱずかしいものがある。で、なし崩しにそのままスマスマまで見てしまった。というわけで2夜連続して又吉を見る羽目になったのだが、久しぶりにビストロスマップなんてものを見る気になったのは、又吉と一緒に湊かなえと西加奈子という作家連中が出ていたからである。もっとも、この中で読んだことがあるのは湊かなえの「告白」だけなのだが。で、見るとそれなりに面白かった。

こうして誕生日の今日、夜になってようやくというか、人並みにテレビを見たのであった。考えてみればうつ病が酷くなった10年ぐらい前から、サッカーの試合以外のテレビはほとんど見なくなっていて、一時期はテレビを見ること自体がストレスになっていた。そんなわけで世の中についていけなくなった。最近のドラマで主役を演じるような若手の役者は名前は聞いたことがかろうじてあっても、顔を見ても誰だか分からない。大体に於いて又吉にしても、顔と名前は知っていたけれど昨日まで本業の漫才をやるところを見たことがなかった。常日頃、ツイッターのタイムラインを追いかけることでなんとか世の中についていこうとはしているのだけれど、それだけではやはり限界がある。今日のように毎日人並みにテレビを見ていれば、それなりに世の中にはついていけて、これ以上浮世離れをせずに済むのだろう。とはいうものの、夜の9時半ともなれば相場の重要指標の出るタイミング、人様のように朝から真っ当に働いているわけではないので毎晩のんびりテレビを見ているわけにもいかず。だが今日のところは、見ようと思えば人並みにテレビを見ることが出来るということが分かっただけでも収穫。

それはそうと、夜になって昨日昼寝から目が覚めるときに痛んだ右膝がまた酷く痛くなって参る。よく原因が分からないが、こういうところは56歳というか、年寄りくさい。

そんな感じの誕生日ではあったが、人間ある程度の年齢に達すると(例えば40歳を過ぎたりすると)誕生日なんかちっともめでたくないと思い始めるのだが、この歳になってみるとやはり誕生日というのはめでたいのではないかと思えてくる。つまり、ここまで生き延びたという意味で。それに実際のところ、55歳も56歳も大して変わりはないのだった。

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