ストーナー

1月29日、木曜日。

昨夜寝床でジョン・ウィリアムズ「ストーナー」を読み終わった。

とにかく素晴らしい読書体験だった。主人公のストーナーは助教授止まりの特にこれといって秀でているわけでもない大学の教師だ。忍耐強く、理不尽なことにも激昂して声を荒げることもない。唯一、感情の赴くままに熱烈に求婚した結婚も結果的には失敗だったと言えるが、それに関してもことさら文句を言わずに耐え続ける。特に劇的なことは起こらない。それゆえ、この小説は地味な話だとも言われる。だがそこがいい。ツイートにも書いたように、読んでいて飽きることがない。校長になることも教頭になることもなく、一高校教師として教員生活を終えた亡父がどこかに重なる。人生とはこういうものなんだなあとしみじみと思える。あまりいい例えではないかもしれないが、しんしんと雪が降り積もるように語られる凡庸な人生。とにかく、最近読んだ本の中では出色の一冊だった。ストーナーの人生がいとおしくさえ思える。それはつまり、己の人生に対するいとおしさでもある。長く静かな余韻に浸れる本だった。

ストーナー

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というわけで、本日は3時半に寝て9時に起きた。確かに睡眠時間は足りず、終日眠気に悩まされた。午後にコタツで小一時間ほど寝たのだが、どうも最近は足し算で7時間は寝ないと足りないようだ。夜に至るまでまるで頑固な油汚れのように頭に眠気が貼りついて離れなかった。台所の窓から隣家が毎日のように雪下ろしをやっているのが目に入るので、うちもやらなければならないかなと昼寝後の3時ごろに梯子代わりの脚立を立てかけて玄関の雪下ろしを試みた。屋根に上がるのは怖いので脚立から。しかしがちがちに凍っていてどうにも手に負えない。結局端を削る程度に終わった。ところがこのたかだか20分程度の雪下ろしが夕方になって効いてきて、どっと疲れがやって来て身体が重くなり眠気に拍車をかける。一旦は夕飯を食べて治まったかに思えた眠気だが、しばらくするとまた否応なく襲ってくる。そんなわけだから今日はなかなか頭がまともに働かない。なんていうか、一日中蚊帳の中にでもいるようだった。蚊帳なんて言っても今の人は知らないだろうけど。蚊帳を使っていたのは僕がまだほんの子供だったころ、まだ夏になると蛍が飛び交っていたころだ。

そんな茫漠たる眠気と疲れと闘いながら、それでも夕方から相場をやってそれなりの、この界隈の職人の日当ぐらいは得た。悔しいのは夕食後に取ったポジションを間違ってノートPCのタッチパッドを触ってしまって決済してしまったことと、その後に取ったポジションを利食いし損ねて同値決済になったことだけれど、一時は物凄く悔しくてまるで負けたような気分になったが、今のチャートを見ると結果的には読み間違いだったので結果オーライと言うべきだろう。

huluでデヴィッド・フィンチャー監督の「ゾディアック」を見始めたのだけれど、眠気に負けて中途になっている。今日は眠気もそうだし疲れも取れなくて、全身にガタが来ている感じだからもうちょっとギブアップな状態。早々に寝床に就いて本でも読もうと思う。

例のイスラム国の人質問題、昨夜は24時間の期限が来て固唾を飲んで情報を待っていたが、ただひたすら錯綜するばかりで今に至るまで進展はない。

今日は降らなかったが、明日は予報によると雪になりそうだ。


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