僕たちの失敗

1月18日、日曜日。

8時起床。いささか睡眠足りず。朝から雪。朝食後に雪かき。除雪車が置いていった雪でへばる。朝、平井和正の訃報が入る。中学から高校にかけて、「幻魔大戦」以外の初期作品は全部読んだ。ウルフガイシリーズはいまだに全部持っているし、「サイボーグ・ブルース」(「エイトマン」のノベライズ)、「死霊狩り」も手元にまだある。日本人のSF作家では夢中になって読んだ一人。

外は雪の世界、相変わらず日中は何も出来ない。台所でシーラッハの「罪悪」を読み終わる。

という具合にツイートはしたものの、相変わらず簡潔な文体でとても読みやすい。あっという間に読み終わってしまう。ひとつひとつ、短編としては非常によく出来ている。何よりもとても分かりやすい。長編の「コリーニ事件」も今日アマゾンに注文した。というか、本を一度に4冊買ってしまった。

で、昼にまた携帯が繋がらなくなっていることに気づく。電源を入れ直してみると復活したものの、これではいちいち確認しないと繋がっているかどうか分からず、緊急の電話とかを受けられない可能性があるので困る。なのでまたサポートに電話してみた。昨日は分かりにくいと書いたが、故障・盗難・紛失時の24時間サポートの番号というのがちゃんと存在していた。それでショップに行ってICカードを無償で交換するように言われる。昼過ぎに雪は止んだものの、道路はすっかり雪に覆われているので隣町まで車で行くのは非常に面倒だと思ったのだがこの際しょうがない。

auショップでの待ち時間の間、外に出て煙草を1本吸ったら気分が悪くなり、カウンターに呼ばれたころにはただの具合の悪い人になっていた。それでもなんとかICカードを交換してもらい、帰りについでにすぐそばにあるケーズデンキに寄ってテレビのケーブルを買って帰る。帰り道、近道を通って行ったら圧雪路が凍結しており、カーブで滑った。たまたま対向車がいなかったからよかったものの、危うく事故るところだった。

恐る恐る帰宅したものの、4時に精神科の予約なのでまたすぐに出かける。今日は待たずに済んだ。もはや薬は変えようがなく、その辺に関しては万策尽きた感じがあり、診察もただの人生相談みたいになりつつある。日中何も出来ないことを相談するが、医者もいっそのこと夜型になって午前中は寝ていてもいいのではないかと言う。処方薬局で薬を受け取り、裏道で帰るとまた雪が凄く、底を擦るのではないかとひやひやする。大きな通りはまだいいのだが、それ以外の道はすっかり雪が積もっていて気をつけないと危ない。

スパゲッティの夕飯を食べながら今日もアジア杯、中国×北朝鮮の試合を見ようとするが、食後に猛烈な眠気が。睡眠不足と朝方の雪かきのせいだと思うが、眠くてどうにもならず、テレビの音は消して少しテーブルに突っ伏してうとうとする。そんなわけだから真面目に試合は見れなかったが、既に中国の1位通過と北朝鮮の敗退は決まっていたので元々興味をひかない試合な上に、スコアこそ2-1で中国が勝ったものの試合内容は冴えない試合だった。中国がダークホースになるかもとこの日記には書いたのだけれど、確かに技術的には以前より上がったもののこうして改めて見るといささか買いかぶり過ぎていたかなと思う。そういえば昨日の日記に準々決勝は韓国が中国と当たると書いてしまったが、オーストラリアの間違いだった。たぶん普通にオーストラリアが勝つと思うが。

相変わらず体調はあまりよろしくない。煙草を吸うと気分が悪くなる傾向があるし、眠気が一向に取れない。やはり風邪気味なのではないかと思う。

夜になってなんとはなしに学生時代の同級生女子であるRにLINEで電話してみる。これが大失敗だった。近頃気になっていること(HとMのこと)を気がつくと一方的にまくしたててしまっていた。どうやらちょっと躁転したっぽい。すると、途中から溜息のような息の音しか聞こえなくなった。そこで我に帰り、どうやらHと仲のいいRに愚痴を一方的にこぼし過ぎたことに気づいたのだが、「もしもし」とか「どうしたの」と言ってもいつまで経っても息の音しか聞こえない。電話中に寝てしまったのか、具合が悪くなったのか、それとも極度に気分を害したのか。何が起こったのかさっぱり分からなかった。しょうがないので通話を切り、余計なことをまくしたてて迷惑をかけたとメッセージを送っておいたが、また友達を一人なくしてしまったのかもしれないと思うとある種の被害妄想に捕らわれそうになる。とにかくどういうわけか(恐らく躁転したのだろう)冷静さを欠いて喋り過ぎたと猛省する。

実に嫌な気分だ。何が起こったのかさっぱり分からないし、どうやら自分が酷く馬鹿げた行為をしてしまったらしいことは確かだ。不安感がひたひたと押し寄せてくる。よせばいいのにフーちゃん、ヨウタロウ、ヤマザキと電話してみたが誰一人繋がらなかった。こういうときはそういうものである。なんだかまた電話コンプレックスに陥りそうだ。

医者には夜型になってもいいと言われたのだが(夜の方が精神的に安定してまだ何かやれると僕が言ったので)、今夜は夜が更けても電話の失敗のせいでどうにも気分が落ち着かない。どこかに気の緩みがあったのだろうか、どうも躁転してしまうときというのはリアルタイムでは気づかず、タイムラグがあって気がつくタイミングが遅れる。なんとかならないものか。この10年あまりで、薬によるブレで随分と友人をなくしてしまった感があるので、またそれを繰り返してしまいそうな恐怖感がある。そのうち誰も電話に出なくなるのではないかと。こういうときは、皆が僕の電話を疎んでいるという強迫観念に駆られる。それもかなり強烈に。こうなると被害妄想だ。気分的に、取り返しのつかない失敗をしてしまったという気がしてしまう。なんていうか、人間というのはなかなか上手に生きられないものだと思う。まあ確かに、上手に生きられるのであればうつ病なんかにならないとは思うが。

それにしても今日から再読し始めたジョイスの「ダブリン市民」、最初に読んだときもそうだがちっともピンと来ず、どこが面白くてどこがいいのかさっぱり分からなくて悩む。読んでいて頭に入って来ないのは訳文のせいなのか、原文のせいなのか、それとも僕の頭と読解力が極度に悪いのか、自分の精神状態のせいなのか。こういうときは無理に読んで理解しようとせず(どうやっても分からないのだから)、違うものを読んで頭を切り替えた方がよさそうだ。

人生は難しいなあと思う。


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