スリッパ、ラーメン、邦画、閉塞

12月20日、土曜日。

ようやく背筋痛が治まった。昨夜はあれから梅酒を飲んでしまったのだが、今日は酒が残っている感じはなかった。先日はどうして2日も残った感じが抜けなかったのだろうか。

というわけでこれを書いている今、梅酒を飲んでいる。

2時半就寝、9時15分起床。酒を飲むと比較的長く眠れる。ような気がする。午前中に弟から電話があり、午後にこちらに来るということだった。それまで何もすることがないので、一週間ぶりに業務に行って煙草を確保する。

2時過ぎに弟が夫婦でやってきた。弟の奥さんにクリスマスプレゼントをもらった。弟夫婦は一瞬だけうちに寄って、母のところからそのまま仙台に帰った。プレゼントを開けてみるとふかふかの冬用スリッパだった。先日実家に戻ってから愛用していたスリッパが一足壊れてしまい、買おうかどうしようか悩んでいたところなので嬉しい。

午後はまた煮詰まって茶の間のコタツで1時間ちょっと気絶。まったく、コタツというものは気絶マシーンだ。

夕方から予報どおり雨。今日はどうも夕飯を作る気がせず、母のところに行った帰り、実に久々に外食で夕飯を済ませた。ネギ味噌ラーメン。念願の(?)外食だったが、実際に食べてみると美味いのか不味いのかよく分からなかった。少なくともスープは物足りなかったし、麺も特に美味しいわけではなかった。要するに美味くも不味くもない凡庸なものを食べたということか。

ラーメンを食べたらどうも胃がもたれる感じがした。帰宅してコーヒーを飲んだら、昨夜は凄く美味しいと思ったのに今夜はどうもそうでもなく、ラーメンを食べた後のコーヒーというのはどうやらあまり組み合わせとしてはよろしくない。印象としてはラーメンて消化が悪い感じがしたがそうなのだろうか。それとも単に僕の胃の調子がよろしくないということなのか。

黒沢清監督「アカルイミライ」を最後まで見たが、意図的に粒子の粗い撮影で撮られたこの映画、特に難しいというわけではないのだがどうも何を伝えたいのかよく分からなかった。終始漂う閉塞感が払拭できないまま終わった感。題名の「アカルイミライ」はアイロニックな意味も含まれていると思うのだがそれにしてもなんかすっきりしない。これでは作った側の自己満足的な映画じゃないかと思う。その昔、日本映画の全盛期を過ぎて全共闘世代になりATG(アート・シアター・ギルド)の映画が邦画のメインになった昭和のころ、洋画に比べると邦画は暗いと言われていた。確かに当時も鬱屈した閉塞感のようなものはあったが、それと同時にそれを爆発させるような発散もまたあった。そういった閉塞感はある種青春というものの象徴でもあった。だから僕はATGの映画は好きだった。しかし近年の日本の気鋭の監督と言われる人たちの作品の多くは閉塞感が腑に落ちないまま、出口が見つからずに終わる印象がある。一方ではテレビ出身の監督のあまりにも分かりやす過ぎるバカ映画があり、実に極端だ。

例えば今は是枝裕和監督の「DISTANCE」を見ているところなのだけれど、まったく音楽が被らないこの映画、とにかく台詞が聞き取りにくい。確かにドキュメンタリータッチでリアリティを追及したい気持ちは分からないでもないが、肝心の台詞が聞き取れないのではリアリティも何も本末転倒だ。第一、物語という点での興を削ぐ。故森田芳光も意図的に役者にぼそぼそと喋らせる傾向があって非常に台詞が聞き取りにくかった。こういうのは演出の問題というよりは純粋にテクニカルな問題だと思う。見るのに(身体的)ストレスを覚えるようでは元も子もない。まあ音量を上げればいいという話もあるが、要するに音楽で言うとミックスでボーカルのバランスが極端に小さくて歌詞が聞き取れないというようなもの。こういうことというのは、作り手がもっと観客としての立場に立たないと分からないことだと思う。要するに独りよがりなマスターベーション的な手法に陥りがちだ。

それとももしかして僕の耳が遠くなったのだろうか。耳のよさだけがかつての僕の唯一の職業的に特化した部分であったのだが。

どうもこのところ、映画にしろ本にしろピンと来ない。今読んでいるアゴタ・クリストフの「ふたりの証拠」も途中まで読んで、あれ、どうも前回(「悪童日記」)と勝手が違うなという違和感を引き摺ったまま。それを言うなら音楽を聴いてもあまりカタルシスを覚えない。つまりは、今の僕自身の精神状態が故なのか。要するにこの閉塞感というのは僕自身が引き摺っているものそのものなのだ、ということなのだろうか。だからラーメン食べてもすっきりしないのかな……。

そういえば今日は終日煙草がおいしくない。せっかく背筋痛が治まったのに明日からはまた雪の予報。今降り続いている雨は明け方には雪に変わるのだろうか。とすると、また雪かきで背筋痛になるのかな。


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