夜霧

金曜日。

昨夜寝たのは3時ごろ、今朝は9時前という二度寝するには中途半端な時間にトイレに目が覚め、そのまま起きた。それはいいのだが、とにかく朝から眠気が凄い。体調があまりよろしくないというせいもあるが、あくびが止まらない。午前中からずっとうとうとしていたが驚くべきことに昼を過ぎて3時ごろになるまで眠気は治まらず、大半の時間を台所のテーブルに突っ伏してうとうとしていた。意識のある時間の方が少ない。とにかく頭がぼうっとして朦朧として、本を読むどころか起きてすらいられない。顔が火照っているところをみると恐らく暖房のせいだと思うが、昼に飲んだ安定剤の影響も多少はあったのかもしれない。いずれにしてもまるで粘膜のように頭に眠気がこびりついて取れない。さすがに危機感を覚える。家にいると果てしなく突っ伏して寝てしまうような気がして、3時過ぎにドトールまで遠征することにした。

ドトールまでは車で20分ほど。4時過ぎに到着してカプチーノを飲んだ。ところが値上がりしてSサイズで260円になったカプチーノ、あまり美味しくない。カプチーノと言えば、昔ユーミンのディレクター時代、ロスのバーニー・グランドマンのマスタリングスタジオでいつもバーニー自ら淹れてくれたカプチーノを思い出すが、そっちの方がよほど美味しかった。とにかく、外が暗くなるまで松原耕二「ハードトーク」を読む。

doutor

このドトールは本屋に隣接というか、本屋の中にある。途中で席を立って本屋を一通り眺め、散々迷った挙句阿部和重・伊坂幸太郎合作の「キャプテンサンダーボルト」を買ってしまった。地元というかうちの隣町出身の阿部和重はデビュー作からずっと読み続けているが、近年作品の質が落ちている。一方の伊坂幸太郎は以前この日記にも書いたが3作ほど読んで酷評、作家としての力量そのものに疑問を抱いてもう読まないと思っていた作家。ハードカバーの新刊なんて久々に買ったが、この作品がもしつまらなかったらもう阿部も伊坂も一切読まないことにしよう。ツイッターで勧められたカズオ・イシグロ「夜想曲集」はアマゾンで中古が1円だったので帰宅後に注文。

結局ドトールには5時過ぎまでいて、帰り道はすっかり暗くなっていた。帰宅すると真っ暗。もう6時近かったが体調がよろしくないせいかあまり腹は空かない。一応午前中に相場の指値は置いておいたが、今日はとても届きそうにないなと思っていたらひとつ成立していた。

6時半ごろに母のところに行く。玄関を出ると凄い霧。まるでロンドンか、それともジョン・カーペンター監督「ザ・フォッグ」を思わせるような夜霧が舞っていた。母は今日も落ち着いた表情をしており、いい目をしていた。眼差しがとてもまともだった。それはとてもいいことなのだが、ある側面ではそういうまともな母を特別養護老人ホームに入れているということが無残なことに思える気持ちもある。

夜、僕にしては遅い夕飯を餃子を焼いて食べ終わると指値がもうひとつ成立した。相場は先ほどまで引っ張って無難にプラスで手仕舞い。

それにしても、今日はなんであんなに眠かったのだろう。もしドトールに行かなければ、一日中うとうとしていたかもしれない。まったく手に負えない眠気だった。もしかしたら風邪気味なのかもしれないと思って熱も計ってみたのだが熱はなかった。暖房が原因だとすれば、この先寒くなる一方なのだからどうしようもない。家で暖房をつけていると起きていられないとすればかなり深刻な問題だが、一度出かけた後の夜は大丈夫だった。結局身体だけ夜型になり、ある種の時差ボケみたいになっているのだろうか。分からん。

「ハードトーク」はもう終盤に差し掛かり、今晩寝る前には読み終わるだろう。精神的にはどうやらようやっと井戸の底からは抜け出しかけている。


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