Triste

さっきから延々と、どうしたら母を入院させずに済むのか、そればかり考えている。今の母の認知能力は幼稚園児より酷い。するなと言ったことばかりする。僕が言ったことを数秒後には忘れる。正直もうお手上げだ。僕は泣き疲れた。またひとりぼっちで冬を過ごすのだろうか。本当に、もう入院させるしか手はないのだろうか。僕が、自分が人間であることを捨ててもダメだろうか。自分自身のありとあらゆる欲望を捨てても。

寝床で母はしきりに僕に謝り、僕の頭を撫でていた。僕は母を助けたい。助けたい。助けたい。

捨てようか。何もかも。

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