死人たち

朝、久しぶりに死神とすれ違う。そういえばここ数日、珍しく彼を見かけなかった。まあ、すれ違ったから何がどう、というわけではもちろんない。

それにしても今日の僕の体調、というか僕の身体的な症状は心身症と思われるので、精神由来のものを果たして体調と呼んでいいのか分からないが、とにかく最悪だった。午後から痺れ始め、3時過ぎに帰宅してからはホントに何も出来なかった。何かをしようと思っても思うように身体が動かない。というか、動かない気がする。もう死体も同然だった。実際、僕は5時半ぐらいまで死んだ。その後蘇生してからも酷い状態は変わらず、そろそろ薬が切れそうなので無理を押して医者へと向かったがもうふらふら。待合室で待っている患者は一人きりなのに、いつまで待っても診察室のドアは開かず、その間に一秒ごとに僕の気分は酷くなっていく。とうとう我慢しきれずに、具合が悪いので、と診察券を返してもらい、明日か明後日、出直すことにした。何もこんな酷い状態のときに無理やり薬をもらわなくてもいい。食欲はなくても腹は減る。なので、帰りがけにスーパーに寄ってなんとなく食べられそうなものを買う。半ば朦朧として帰宅してからもしばらく精神的には死んでいる。が、もちろんただひたすら死んでいるだけではつまらないことおびただしい。なので、なんとなくPCに向かって波形編集ソフトを立ち上げて分割されたMP3ファイルの連結などをやっていると、かろうじて生きているという程度には復活。要するに、何も出来ないときは何かをやればいいのだ。そんなわけでオンラインで学生時代の同級生の女子が書いた小説を読んで感想を送り、それからシャワーじゃなくて久々に浴槽に湯を溜めて風呂に入る。

バルガス=リョサという巨人を読んだ後なので次に何を読もうか悩む。今のところ候補は読みかけになっている3冊。伊藤計劃「ハーモニー」、イアン・マキューアン「贖罪」、青来有一「爆心」。故伊藤計劃は着想は面白いのだが、スタイルに拘るあまり、小説の長さに物語性の密度がついていかないという弱さはあるもののたぶん一番読みやすく、イアン・マキューアンはスキルとかリアリティというもの、物語の構築能力という意味ではこの中では抜きん出ているものの、いささかディレッタントに過ぎる部分が読むのがめんどくさい、と思ってしまうし、「爆心」はこの中で唯一の短編集であるのに一番ヘヴィだ。青来有一は物凄く真っ当に小説を書く作家であるので、こういう人がヘヴィなものを書くと物凄くヘヴィになる。うーむ。違うものにしようか……。

追記:今、本田のリーグ5得点目となるフリーキックをYouTubeで見た。完全にキーパーの逆をつき、キーパーまったく動けず、決められて苦笑い。最近の本田は無回転じゃなく普通に回転をかけて蹴るようになった。確実性を求めているのか。それにしてもロシア語で本田って書くとなんか物凄く難しい中世の本のタイトルみたいだ。

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