殺害予告が届く

1月12日、火曜日。

遂にというかとうとうというか、彼女は越えてはならない一線を越えた。朝起きると殺害予告のショートメールが届いていた。具体的には「埋められたいの?」と書いてあった。もうこれだけで十分。伏線としては彼女は以前最低賭け額が10万の裏カジノに毎晩通うような男と付き合っていたということがある。それを思い出して正直気味が悪かったが、脅迫罪というのは親告罪ではなく(被害届は必要ない)、恐怖を覚えたかどうかということも問題ではない。メールでも成立する。例えば爆破予告をした人間は、実際には爆弾を持っておらず爆破するつもりはなかった云々と言っても全員が無条件で逮捕される。それと同じことで僕が警察に通報してショートメールの内容を見せれば、例えば午前中に警察に知らせたら夕方には逮捕状が発行されて問答無用で逮捕となる。すると最低でも10日間、最長で20日間は拘束される。さらに検察に起訴されて有罪となると、2年以下の懲役または30万円以下の罰金刑となる。もし実刑を食らったら彼女は完全に終わる。

ショートメールは明け方に送られていた。恐らくは腹の虫が収まらなかったという程度のことで書いたのだろう。常日頃から「死ねばいいのに」とか「死ね」とか平気で言う人間だから。だが今回彼女は墓穴を掘っただけでなく自らがその墓穴に入ってしまったのである。午前中に前述の内容をLINEでメッセージすると、「弁護士立てる」と返事をして以来一切連絡がない。「警察に届け出をする」と書いてそのままにしていたので、夜になって警察にはまだ行っていないと言うべきかなとも思ったが、実際問題としてまだ逮捕されていないということでそれは分かるだろうし、何を言っても通じない人間にはこれぐらいお灸をすえるというか冷水を浴びせておいた方がいいかとそのままにしてある。午前中はヒマだったし何より気味が悪いので警察に行こうかな、などとふと思ったりもしたが、自分の目的は人間としての彼女を完全に終わらせることではない。とはいうものの、今回はとても許し難いし何より救いようがない。自分の口から発した言葉が一体どういうものなのか、彼女は身をもって分かる必要がある。したがって、これでもまた懲りずに同じような文言を繰り返すようであれば委細構わず警察に届ける。

こうして僕と彼女は完全に終わった。いわば彼女は強制終了のボタンを押したのだ。あるいは自爆のスイッチを。

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