楽園からの帰還

1月23日、木曜日。

午後、彼女のところから帰宅。県境の山はもちろんだが、トンネルを抜けて尾花沢に入るとそこは雪国だった。隣の村山市まで一面真っ白だったので、ああこれは雪かきかなと観念したのだが、うちに着いてみると不思議なことにこのちんけな町には雪が積もっておらず、雪かきをする必要はまったくなかった。なんだかちょっとした奇跡のようにも思えた。

彼女のところに泊まりに行く前日(つまり一昨日)までは、実のところまだちょっと彼女が怖かった。ところが夜になってふと、彼女が来るよりも自分が行く方がいいように思えた。そして、結果的にそれは正解だった。確かに関係を最初からやり直すのはそれなりに難しくちょっとした迷いもあったが、要するに恐怖というものは分からないものに対して生ずる感情であり、分かってしまえば怖くない。僕らは一緒に寝たけれどもセックスはしなかった。なんていうか、まだその段階にないような気がしたから。

いずれにしても、いろんな偶然が重なりあって昨日は素晴らしい景色、素晴らしい世界に遭遇した。それは登米市の内沼というところにあった。たまたま彼女と入った古川市のカフェの営業時間が中途半端なことに3時までだったので、隣の登米市に沼があるので見に行こうということになったのだった。内沼は二番目の沼だった。昨日アップした写真を見てもらえば分かるが、そこには信じられない光景が待っていた。なんだかんだ、ちょうど日没が迫るころ、テレンス・マリックが言うところのマジック・アワーだった。数えきれないほどの鴨の群れ、人をまったく恐れずに近づいてくる白鳥。こんなに間近に白鳥を見たのは初めてだ。そこに夕暮れが近づいて、まるでタルコフスキーの「サクリファイス」に描かれているような、核戦争後の世界の終わりに遭遇したような世界だった。そこには猥雑なもの(例えば白鳥の格好をした足漕ぎボートみたいな)は何もなく、ただただ美しい光景があった。なんていうか、それだけで十分だった。僕らはそこに居合わせたのだ、という感覚があった。まだ世界は美しいということを確認できた。

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昨日も古川でちょこっとトレードしたし今日も帰宅後にトレードした。結果的にはプラスだけれど、ユーロドルの売りポジションをビビって利食いしてしまい狙い通りに下落したのに取れなかった。たぶんそれが自分の実力なんだろう。よくエントリーがすべてみたいに言われがちだけれども、どこで入るかなんていうのは適当でも構わなくて、難しいのはどこで決済するか、つまりどこでエグジットするかだと思う。こうしている今もユーロは下落している。遅まきながらちょっとだけ取ったけれども。一番上の指値を引っ掛けてくれていたならという具合にすべてはたらればの世界だ。

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