Return

12月17日、火曜日。

これは日付的には今日だが正確に言えば昨夜の話なのだが、不思議なことに本来戻らないはずの逃げ水が戻ってきた。昨夜あれから、彼女がアイコスを忘れていったことに気づいてLINEしてみると、夜中の1時過ぎだというのにまだ隣町のコンビニだかドライブインだかにいるというので驚いた。後で判明したのだが、彼女は睡眠薬を飲んで車内で眠るつもりだったらしいのだが、そんなことは知らないのでとにかく戻ってくるように言った。そんなわけで彼女は睡眠薬で呂律があまり回らない状態で運転して戻ってきた。その前に玄関で猫背の彼女を抱きしめ、細い髪を撫でてもしかしたらこれが今生の別れかもしれないと思っていた(だから昨日の日記はあんな日記になった)のだが、気がつくと真夜中に彼女は戻ってきて、結局のところ僕は彼女の病気を受け入れることになった。たぶんこれもまた運命なのだろう。運命というものがあればの話だが。

今日は二人で蕎麦の昼食を摂った。

結局こうして僕らはまた元に戻り、僕はまたいつか必ずやってくる彼女の病状に耐えなければならなくなった。幸せはそんなに簡単には手に入らない。この先どうなるかなんて誰にも分からない。しかし、これまでずっとそうしてきたように、また行き当たりばったりの人生を歩むだけだ。

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