朝を

11月12日、火曜日。

もしかしたら自分はまたしてもとんでもない間違いを犯しているのかもしれない。でもそうだとしたらそれが自分の運命なのだと思う。

一昨日の晩は朝6時過ぎまで彼女と6時間近く電話で話した。口論になり、途中とうとう僕はキレた。その結果、彼女が何故会ってから数日後に別人のようになってしまうのかが分かった。それは別に女心というものが気まぐれだからというものではなかった。彼女は僕と一緒にいるときは大丈夫だ。少々取り乱しても直に落ち着くし、普通の女性だ。しかし一緒にいないときは突然暴走したりする。なんていうか、僕にそれほどの包容力があるのか自信はない。寝たのは朝の7時だったし、それほど深く考える時間もなかった。どちらを選んでも間違っているような気がするのは、そこまで自分自身に自信も確信もないからなのだろう。自分に確信できるのは、彼女が自分の人生で最後に出会った女性であるということだ。結局のところ、自分の中には彼女と別れるという選択肢がなかった。

数時間後にうちにやって来た彼女に、僕は彼女を守ると言った。正直なところ自信なんかないのに。で、歌詞を書き直した曲を聴かせた。僕らは一日半を一緒に過ごし、来月のクリスマスイブに入籍することにした。一緒に住む訳ではなく、別居結婚だけれど。彼女はいつプツンとキレてしまうか分からない、脆くて怖い存在だけれど、彼女が僕を好きだということだけは確かだ。それ以上を望むのはちょっと贅沢な気がする。

彼女が帰ってから母のところに行き、来月入籍することにしたと言うと、母はとても喜んだ。母の喜ぶ姿を見るのは実に久しぶりな気がした。

もしかしたら僕らの関係は、彼女と同じくらい脆いものなのかもしれないし、そうじゃないのかもしれない。本当のところがどうなのかは誰にも分からない。僕は彼女に確かなものを与えたくなったのだ。少なくとも彼女は、僕に確かな気持ちをくれるから。だから僕は彼女に自分の人生をくれてやる気になったのだ。それは勇気のいることであったけれども。そしてもちろん、僕は彼女のことをとても好きだ。

僕らが初めて会ってからまだ一ヵ月ちょっと。人生なんてどうなるか分からない。僕らが幸せになれるといいなあ。と思う。

例によって同じ音源だけれど、SoundCloudの方が音がいい。お好きな方でどうぞ。

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