Emptiness

6月2日、日曜日。

抜け殻のように一日を過ごす。改めて、自分が独りであるということをまざまざと如実に突き付けられる。何度も同じことを書くようだけれど、人生の大半を一人で生きてきた。いまさら一人であるから云々というのは考えてみれば奇妙なことである。だがそれでもちょっとした燃え尽き症候群みたいな状態になった。何に燃え尽きたわけでもないのに。もし僕が燃え尽きたとすれば、それはもう今から15年ぐらい前、最後の会社を辞めたときだろう。いうなれば、僕はそれから延々と燃え尽き続けている。「燃え尽き続ける」というのは奇妙な表現だ。燃え尽きたのであればもう燃えるものは残っていないはずだからだ。人間はこんな風に燻り続けながら生きていくのだろうか。あがいて。

昨夜ホテルに泊まった級友たちも皆帰宅してそれぞれの元の日常に戻ったのだろう。つまりは僕も元の日常に戻ったはずなのだが、なんだかいろんなものが抜け落ちてしまったような気分だ。同級生たちと過ごした数時間は、あまりにも日常とはかけ離れていた。そういう意味では、まるで夢のようだった。彼らのテンションに引きずり込まれ、時間が逆戻りしたというよりも、DVDのチャプターであっという間に何かを飛び越えて戻ったような感じだった。そして僕はそこから強引に抜け出してきた。何もない、誰もいない日常へ。

誰かと久しぶりに会うのは本当に悪くない。忘れていた何かを思い出すから。

明日の朝から母が入院するので、今夜は早く寝なければならない。マリオ・バルガス=リョサの「アンデスのリトゥーマ」はエピローグに入り、今夜にも読み終わるだろう。そして僕はまた新たな夢を見るのだ。いつものように。

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