白い鳥

3月21日、木曜日。

昨日帰りがけにふと思った、これ以上何も望むまいという言葉は何やら素晴らしい金言のような気がしてきた。座右の銘にしたいくらいだ。望まなければかなわないものもなくなるというある種ネガティブなベクトルだけれども。

弟と一緒に地元でもダントツの不人気店で昼食の蕎麦を食べて(案の定ガラガラだったがそれほど不味くなかった)から今日も二人で病院に行った。母は昨日と変わらないように見えたが、血尿が出ているということと熱が37度あるということが気がかり。去年の暮れから造影剤を使ったCT撮影を繰り返したので腎臓に負担がかかったのだろうか。弟は病院から直接仙台へと帰っていったが、帰る間際に大分の医者二人の名前を訊いて欲しいと言われたので、だったら自分で訊け、それを調べても何もならないだろうと返して、最後まで僕らの間は微妙な空気感のままだった。弟が帰ったあと、看護師が母を車椅子に乗せたので、二人でデイルームからの景色を眺めた。今日は昨日より10度気温が下がって雨の日だったので、素晴らしい景色とは言えないが、母が今見ることのできる唯一の景色だ。

病院から帰宅後、夕飯を食べようとして弟が台所の隅から隅まで掃除していったことに気づいた。なんだか噛み合わないままで終わってしまったけれども、これではまるで掃除しに来てもらったようで申し訳なく思った。

例の家の前を今日も往復二度通ったけれど、やはりまったく人の住んでいる気配はなく不気味。ただ、駐車場にかけてあったビニールシートの色がいつの間にか青から銀に変わっていた。とすると、やはり誰かが住んでいるのだろう。

そういえば昨日だったか一昨日だったか、たぶん昨日だと思うけれど病院に向かう途中の道で頭上をやけに大きな白い鳥がゆっくりと横切っていった。運転中なので写真は撮れなかったけれど、サギよりも明らかに大きかったので恐らく鶴だったんじゃないかと思う。それともコウノトリ? まさかね。ハクチョウではなかった。とにかく不思議なくらいに大きい鳥だった。

やたら暑かった昨日に比べて、今日は急に気温が下がって寒かったが、明日から日曜日までスマホによると雪の予報。本当に降るのだろうか。

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