autobiography

「自伝(前編):追補」

...

前回アップした「自伝(前編)」を読み直して、あれ、なんか肝心なところが抜けてるな、ってことに気づいた。なので、追加で書いておきます。

僕はとにかく、小学校のときから本の虫だった。意味もなく、毎日町で一軒しかない本屋に立ち寄った。まるで儀式のように。小学校時代は、親が「少年少女世界文学全集」というのを買い与えてくれ、抄訳ではあるが、いわゆる世界の名作というのは一通り読んだ。このころ僕が一番感銘を受けた、というか影響を受けたのは、シートンの動物記であり、ファーブルの昆虫記であり、ハドソンの「ラ・プラタの博物学者」であった。それで僕は博物学って分野はもうなさそうだから、動物学者になるのだ、と思っていた。

小学校の後半から中学・高校にかけては、SFを読みまくった。小学校のクラスの日誌に筒井康隆をまねて挿絵入りのスラップスティックを書いて、これが僕の最初の創作と言えばそうなのだが、それをみんなの前で先生に読まれたりした。僕にはなんで読まれるのかさっぱり意味が分からなかった。とにかく、SFと名のつくものは片っ端から読んだ。創元推理文庫、ハヤカワSF文庫はほとんど読んだ。このころの僕のお気に入りは日本人では平井和正のウルフガイ・シリーズ、小松左京、星新一、筒井康隆、海外ではアシモフ、ハインライン、ブライアン・オールディス、アルフレッド・ベスター、J.G.バラード、レンズマン・シリーズとかのいわゆるスペース・オペラ、フィリップ・K・ディック、バロウズ、とにかく枚挙に暇がない。マイケル・クライトンの処女作、「アンドロメダ病原体」に出会って衝撃を受けたのも高校のころである。

音楽に関しては、クラシックのあと何故か一時期マカロニ・ウエスタンのサントラ(笑)などを聴きまくり(いわゆるエンニオ・モリコーネ)、それからビートルズへと移行したのだが、ビートルズへの傾倒は半端じゃなく、毎年年末になると赤い奴と青い奴のベスト盤を全曲、レコードに合わせて歌っていた。僕の音楽の転機は、バンドを始めてから高校3年になるころで、ボズ・スキャッグスが「Silk Degrees」「Down two then left」と立て続けに今で言うAORの走りとなる名盤を出して、僕はそれまでハードロック一辺倒でやっていたバンド活動の中で、目から鱗が落ちた感じがした。同じころ、ジョージ・ベンソンが「Breezin'」を出し、今で言うフュージョン、当時はクロスオーバーと言われていたが、その口火を切るアルバムで、僕は衝撃を受け、ジャズというものに目覚めた。

というわけで、本編に続く。

written on 25th, nov, 2008

back